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阿波おどり「抜本的改革」のはずが、今年もさっそく不満続出のワケ

これで収益は上がるのか…?

民間委託「あまりにも条件が悪い」

阿波おどりが、今年も大変なことになっている。

言わずと知れた徳島・夏の風物詩「阿波おどり」。赤字問題が明るみに出た一昨年に続き、昨年は徳島市・遠藤彰良市長の独断で、阿波おどり最大の見せ場である「総おどり」が中止。

徳島市側と踊り子の対立が激化するとともに、来場者は激減、空席が非常に目立つ結果となった。徳島市が実質的な主催者となった昨年は、終わってみれば2900万円の赤字が残った(阿波おどり実行委員会の発表)。

市観光協会が徳島新聞社と共催していた17年は約2600万円の黒字であったにもかかわらず、徳島市や徳島新聞社は累積赤字の責任を観光協会にあるとし、「観光協会には運営能力なし」と決めつけて破産させた

遠藤市長の責任は重大というべきだろう。今年は昨年の混乱を踏まえて、いかに抜本的な改革に乗り出すかが問われるはずだった。

しかし年明け以降、遠藤市長と徳島市は驚くべき行動に出る。

 

市長は2月に入ると、突如として阿波おどり実行委員会の委員長を辞任。さらに2月13日には、実行委員会が「阿波おどり事業の民間委託」を決めた。民間に丸投げすれば全て解決する――ということなのだろうか。

しかも、2月15日に公表された民間業者の募集要項が「あまりにも酷すぎる」と、関係者は皆呆れているという。

「契約期間は5年間。ひどいのは、会場とチケットの価格が実行委員会で決められていることです。阿波おどりの収入の大半はチケットの売り上げですから、これでは収入の上限がほとんど決められてしまっているようなものです。

その上、実行委員会への多額の『上納金』が必要です。金額は固定で毎年最低500万円と、それに加えて収益の最低20%です。つまり、1000万円の黒字だった場合でも700万円は上納することになり、運営事業者の収益はわずか300万円しか残らない。

それなのに、赤字が出たら事業者の責任となるうえ、最低500万円の上納金は支払わないといけない。しかも、雨天中止になった場合でも何の補償もなく、赤字を引っ被らないといけない。こんな悪条件で名乗りを上げる事業者がいるとは思えません」(市政担当記者)

会場が例年通り4カ所の有料演舞場に限られ、チケット料金も固定されている以上、民間業者がどれだけ努力しても売り上げには上限がある。さらに有料演舞場の一つ「市役所前」は不採算会場であり、通常ならば廃止や縮小が検討されるところだが、そうした裁量も不可能となっている。