photo by GettyImages

コカインを世界に蔓延させた「麻薬王パブロ・エスコバル」の正体

コロンビアから世界を見る①

世界にドラッグを蔓延させた男

今、コロンビアの第2の都市メデジンでは、パブロ・エスコバルゆかりの地(といっても抗争による爆破跡やパブロ・エスコバルが射殺された家のことだ)を巡るツアーが外国人に人気だ。パブロ・エスコバルの風貌をしたガイドが案内するツアーまである。パブロ・エスコバルの墓をバックに”自撮り”する旅行者も多い。

パブロ・エスコバルの墓は、観光客の撮影スポットになっている。photo by GettyImages

Netflixドラマ『ナルコス』の人気によってコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルの知名度は世界的に急上昇した。

パブロ・エスコバルは1970年代半ば、後に世界最大となる麻薬組織メデジン・カルテルを結成。コカインの密造・密売ルートを確立し、アメリカ及び世界にドラッグを蔓延させた。

1988年のパブロ・エスコバル photo by GettyImages

反政府ゲリラとも連携し、敵対組織や政治家、警察官など“殺した数”は数千人とも言われる。コカインで巨万の富を築き上げ、世界7位の大富豪となった。コロンビア史上最高の金持ちだ。

ただし、コロンビアにおいてもしあなたがパブロ・エスコバルの名前を興味本位で口にすれば、十中八九コロンビア人に嫌がられるだろう。

 

コロンビア人にはメデジン・カルテルに身内を殺された者も少なくない。だから、ドラマにかぶれた外国人観光客がパブロ・エスコバル巡りを楽しんでいる姿は、一般のコロンビア人にとっては決して心地よいものではない。見られたくない汚点を他人に曝け出しているかのようなものなのだ。

その一方、パブロ・エスコバルを今なお熱狂的に尊敬するコロンビア人も存在している。貧困地域にはパブロの顔がプリントされたTシャツ(チェ・ゲバラの顔がプリントされたTシャツみたいなのを想像してほしい)を着ているコロンビア人がいたり、パブロがプリントされた旗が軒先に掲げられている光景も目にする。

パブロ・エスコバルのグッズが土産物屋に並ぶ。photo by GettyImages

パブロ・エスコバルという人物は一体何をしたのか。”極悪人”と片づけてしまうと真相は決して見えてこない。”人間”パブロ・エスコバルを知ろうとしなければならない。

パブロ・エスコバルが作った貧困地域の街 photo by GettyImages