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ドイツを苦しめる「捕まえたIS兵士をどうするか」という超難問

それでもテロの危険はなくならない

イスラム国は今

いっとき中東世界を激しくかき回し、無差別テロでヨーロッパまで震え上がらせたISが、今、ようやく成敗されつつある。

IS兵士たちは潜伏してテロ活動を続けるだろうから、危険が全て去ったわけではないが、一応、中東で勢力を誇った「イスラム国」という国家もどきは消滅したようだ。米国が本気になると、やはり強い。オバマ前大統領は単にヤル気がなかったのだろう。

断末魔のISは、シリア東部のイラク国境の、ユーフラテス川の滸の村に立て籠もっていたが、そこが陥落し、今、米軍とその同盟であるクルドの一派の兵隊たちが、逃走中の人間を捕まえては、ISの残党か、民間人かに仕分けしている最中だ。

IS残党は皆、尋問されると民間人だと主張し、ISで厳禁だったタバコをふかしているらしいが、それでも、背中に銃弾ベルトの跡がくっきりと残っていたり、引き金を引いた指にタコができていたりで、すぐにバレるケースも多いという。

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さて、捕まえたはいいが、これらIS残党の処置には困る。そこで最近、トランプ大統領が各国政府に、自国籍のIS捕虜を引き取るよう要請してきた。

ドイツ内務省によれば、2013年以来、1050人のドイツ人が、ISと共に戦うためにシリアに出ていった。「出兵」した人のうち5人に一人は死亡し、300人はすでに帰国しているという。ドイツ人といっても、多くは、シリア、チュニジア、エジプト、トルコ、アルジェリアなどから来た移民系だが、ドイツ国籍を取得している限りはドイツ人だ。

 

いったい何人のドイツ人がIS残党として捕虜になっているのかというと、現在は約40名。しかし、イラク−シリア国境にはまだ100名、トルコ–シリア国境のイドリブあたりにも50名は潜んでいるそうだから、ドイツ人捕虜はまだ増える。なお、彼らのドイツ人妻や子供は、まとめて粗末な収容所に入れられており、それも合わせると結構な数になる。

ときに、収容所にいるドイツ人女性のインタビューなどが公開されるが、アバヤといって、目だけ出したイスラム装束の彼女たちは、皆、ドイツに帰りたがっている。

「私たちはドイツ人だから帰る権利がある。ドイツ政府は私たちを助けなければならない」と主張する人もいれば、「ここで戦争が起こっているとは知らなかった」などととぼけている女性もいた。

彼女たちの特徴は、年齢がすごく若いこと(十代も多い)と、すでに子供を2人ぐらい産んでいることだ。