2030 年には、平和や差別、エネルギーなど、さまざまな問題の何がどんなふうに叶えられているだろうか。“こうなって欲しい未来” をニューヨーク在住のライター・佐久間裕美子さんに話してもらいました。

どんな性別の人にも
平等なフィールドが約束される。

私が暮らすアメリカも、さまざまな問題を抱えています。トランプはオバマ時代に敷かれた環境や金融の規制をどんどん元に戻していて、気候変動を抑制するためのパリ協定からも離脱、最近ではトランスジェンダーを排除し、全員を生まれた時の性別に戻すことまでを検討しています。となると何ができるか。もう、国に頼らずに自治体でやろうよという動きが出てきている。環境問題も深刻に受け止めているNYやカリフォルニアの人々は、自分たちのコミュニティでやっていこうって。

NY市も、温室効果ガスを減らすために自転車専用レーンを整備したり、市の単位で企業の排出を減らす努力をしています。地価が高騰しているNYでは、所得格差がますます広がり、ミドルクラスが圧迫されている。世界で一番強大な国の最も進んだ都市のひとつのはずなのに、どこにも住めなくてお腹を空かせている人がいる。それに対してもNYは市で、ホームレスのために「アフォーダブル・ハウジング」と呼ばれる、住宅を整備する取り組みに力を入れています。

そんななかでも深刻だと感じる問題のひとつに、ジェンダーイクオリティがあります。ダブルインカムが前提のNYでは、働いていない女性はほとんどいません。MeToo時代になって、女優のギャラが男性の俳優の1/10だったりというハリウッドの賃金格差問題や、日本では医学部受験で女性だからという理由で減点されたり、育休を取ると同じ現場には戻れないなど、自分が思っていた以上のさまざまな性格差があることが明るみに出てきました。

NYみたいなところでも、こんなに女の人は苦しんでいたんだというのが私の実感です。そういった問題に、上場企業は女性役員を10%以上にしなさいというルールで対処しても、それは本当の意味での平等にはならないと思う。

NYのような場所でも、同じ仕事をしていても、女性であるから、黒人であるから不当な扱いを受けるということが起きていた、そういうことをなくす努力をする必要がある。フェミニズムやジェンダーイクオリティの問題を一言で説明するとしたら、この形に生まれてきたからという理由で同じ権利を与えられない人がいるということです。マジョリティではないだけで、スタート地点のすごく後ろから走り出さなければならないとしたらどうでしょう。2030年には、そんな不平等をなくしたい。誰にでもフラットなフィールドが叶えられるように。どんな形をしている人も一緒の船に乗れるような未来に。

PROFILE

佐久間裕美子 Yumiko Sakuma
NY在住ライター。1973年生まれ。東京育ち。1998年からNY在住。出版社、通信社などを経て2003年に独立。著書に『ヒップな生活革命』『ピンヒールははかない』。近著に1年間の日記をまとめた『My Little New York Times』がある。

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Illustration:Katsuki Tanaka Text:Toyofumi Makino Text&edit:Asuka Ochi