# 結婚

アラフォー女優の告白「俺を殺してくれと迫る男との交際経験」

ちょっと変わった男たちと…
松下 恵 プロフィール

「人生の目的は何ですか?」

「あれ? 私、結婚できてない……」と意識し始めたときには、30歳目前だった。なんとなく親や周りも「そろそろ……」という雰囲気を出してきた。

というわけで、思い切って、お見合いをしてみることになった!

 

当時、母と義理の父はロサンゼルス在住だったので、ロスに住む日本人の弁護士さんを紹介してくれた。

私もそんなに仕事が順調なわけではなかったし、結婚して海外に移住するのもいいかなと、半分自暴自棄で、思い切ってロスへ飛び、弁護士さんにお会いしたのだ。

初めてレストランでお食事をしているときに、突然、

「君の人生の目的は何ですか? 明日までに箇条書きにしてきてください」

と弁護士口調で言われて、びっくりした。

「じ、人生の目的?」

そんなこと考えたこともない。

ただでさえ、昔から自分のやりたいことがわからないのに。

アメリカで生きていくには、そう言うことをはっきり意思表示できないとやっていけないのだろう、と思った。

29歳。アメリカでの結婚生活を夢見ていた

とにかくロスに住むためには、彼と結婚するしかないと、帰国してからも私はスカイプで、弁護士さんと連絡を取り続けた。

ところが、そのうち、彼の方は、前につき合っていた韓国に住んでいる恋人を忘れられない、というそぶりを見せ始めたのだ。

この弁護士さんは、ご両親に彼女との結婚を反対されて、お見合いを勧められ、言われるがままに私に会ったということが、後になってからわかった。

「人生の目的は?」なんて、人に聞いておいて、自分はずいぶん優柔不断ではないか。結局、煮え切らない彼には、さようならをした。

その後も、お医者様やIT企業のビジネスマンなどとお会いしてみたものの、畑違いの世界で生きてきた私は、お話についていけず……。

お見合いをしてもうまくいかないと、親御さんや紹介をしてくださった方への申し訳ない気持ちでいっぱいになる。これ以上色々な方へご迷惑をおかけするのは嫌だし、もうお見合いはいいや!と諦めた。

ちなみに、私がお見合いをした3人の男性は、全員すでに結婚しているそうだ。

「最初で最後」のウェディングドレス

両親はどちらも、再婚している。母は映画監督のすずきじゅんいちと籍を入れ、アメリカの永住権を獲得して、11年間ロサンゼルスで暮らしていた。

結婚式をする予定はなかったそうだが、たまたま素晴らしい写真家との出会いがあり、母が60歳のとき、ウェディングドレスの写真を撮っていただいた。

母60歳。母は2度めのウェディングドレスを着たのに……

父のほうも、とっても若くて綺麗な奥さまに拾っていただいた。

かなり年齢差を感じる写真だったけれど、可愛らしいウェディングドレス姿が、羨ましかった。

そして父が60歳のとき、子供に恵まれ、私には突然、弟ができたのだ!

彼らは今、11歳と8歳になる。自分の息子でもおかしくない年齢だ。

両親が再婚したときの写真を、どちらも大切に持っている。

私も一度だけ、ドラマの撮影でウェディングドレスを着たことがある。

ついにその時が来たか!と台本を読み、とても嬉しかった。

「撮影でウェディングドレスを着ると、婚期が遅くなる」

という言い伝えもあるけれど、私は一度でいいから、着てみたかったのだ。

ロケ先で、クラシックなスタイルのウェディングドレスを着て、写真を撮り、祖母に送った。残念ながら、祖母が私の花嫁衣装を見たのは、それが「最初で最後」となってしまった。

さて、ウェディングドレスは着たけれど、そのシーンは教会でもパーティー会場でもなく、アパートの一室だった。もちろんお婿さん役もいない。

私はあらかじめ、ドレスの下に頑丈なハーネスを着けていた。

「本番行きます!」のかけ声と共に、ハーネスに固定されたワイヤーで、ぐっと体が持ち上げられた。

花嫁衣装のまま、首を吊る役だった。

目をつぶり、首を吊られたまま、ふと思った。

「私、結婚できないかも……」と。

(次回につづく→第四回は<アラフォー女優の告白「私が束縛男と付き合っても平気なワケ」https://gendai.ismedia.jp/articles/-/63486