騙されるな…金融機関が「NISA」より「保険」をすすめるウラ事情

日本人に資産運用が広がらないワケ
マネー現代編集部 プロフィール

投資信託の「正しい選び方」

中野 投信会社の社長だから言うわけではありませんが、そう考えると個人が資産を増やしたいなら投資信託しかない、というのが結論でしょう。

横山 私も投信自体は大賛成ですが、問題はどんな商品を選ぶか。投資信託と言えば、日経平均連動型のインデックスファンドしか思い浮かべない人が多いのは気になりますね。外国のことはわからないし怖いと思うのでしょうが、日本株だけで運用することのリスクを知って欲しいですね。

日本経済が長期的に見て世界で一番成長すると思っているならそれでもいいけど、日本は成長しそうにないし、給料も上がらないから運用しようと思っているわけでしょう。だったら日本以外で運用する方がリターンも大きくなると考えないとおかしいですよね。 

〔photo〕iStock

中野 多くのアメリカ人が、日本の日経平均に相当するS&Pなどで運用する投信で運用した結果大成功しました。しかし、だから日本人は日経平均だよね、は違う(笑)。自国を優先するのをホームカントリーバイアスといいますが、ここに運用上の合理性はありません。

大切なのはその国が成長し、株価が上がるかどうか。アメリカ人がそこまで考えていたかどうかはわかりませんが、結果的に米国株はここまで過去数十年上昇し続けた。それに比べて日本の過去20年実質成長率はゼロ。これから日本の時代だ、と思うなら日経平均を選んでもいいでしょうが、むしろ年金も不安、社会保障負担も増える可能性が高い。それに備えるために投資するのに、日本株だけで運用するのは矛盾ですよ。

横山 じゃあこれからもアメリカ株で運用するのは正解ですか?

 

中野 ウォーレン・バフェットは、「自分が死んだ後、生活に必要な最小限のお金は現金で持て、残りはすべてS&P500に投資しろ」と遺言書に書いているそうです。なぜならアメリカ経済はこれまでもこれからも成長し続けるから。それは合理的な行動ですが、結果それが正解かどうかは別問題。

横山 私自身も米国株だけで運用する投信も持っていますが、この先に関してはすべて米国だけというのはリスクがあると思っています。他の先進国は勿論、新興国にも投資することで、どこが成長しても一定のリターンを目指すべきではないでしょうか。

中野 おっしゃる通りですね。具体的にはどんな投信がいいと思いますか?

横山 私は『はじめての人のための3000円投資生活』では「世界経済インデックスファンド」を紹介しています。出版当時、信託報酬など運用にかかるコストが安い方でしたし、世界中の株式の動きに連動するというシンプルさがその理由です。とにかく運用をはじめて欲しいというのが私の一番の気持ちで、細かな商品のことはおいておくとして、投資を始めるとっかかりとしては適していると思うのです。

中野 僕もまったく同感です。セゾン投信がスタートしたのは13年前で、当時は世界に分散投資するグローバル型のバランス投信はほとんどありませんでした。ところがセゾン投信が一定の評価を頂いたのを見て、2年後くらいから、他社からも相次いで同種のファンドが発売された。

中には手数料がセゾン投信より微妙に低いものもある。露骨なことするなと思いましたが、正しい投資が広まることはいいことです。

横山 ただ、グローバル型のバランス投信と言っても、商品によって微妙に違いがありますね。

中野 セゾン投信のファンドの1つであるセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは時価総額に応じて地域別投資比率を組み替えるのですが、他社のファンドでは市場がある国のGDPで見るものもあります。違いとしては、時価総額で見る方が新興国のウエイトが低くなる傾向があり、それによってファンドのパフォーマンスにも若干違いが生じます。ただ、どちらを選ぶかは好き嫌いなので、どちらが正解というのはないと思います。