勝地涼「妻と街に出ると、いろんな家族がいて、いろんな日常があることがわかった」

Bunkamuraシアターコクーンで上演中の『空ばかり見ていた』に出演している勝地さんに、最近の旅事情について話を聞いた。20代の頃は、旅には全く興味がなかったという彼だが、3年前に演劇ユニットを立ち上げたこと、昨年結婚して家族ができたこと。その2つの出来事をきっかけに、旅や、散策の楽しさに徐々に気づき始めたのだとか。

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動かないまま
静かにエネルギーを
放出していくような。
そういう芝居を
求められている気がします。

――岩松さんの演出はいかがですか?

勝地:稽古の厳しい方だと伺っていて、厳しいのは事実(笑)。ただ今までに体験したことのない演出なので、すごく刺激的です。僕も、そんなに舞台の経験が多いわけではないのですが、蜷川さんの前では、何もしないことはあまり許されなかった。いついかなる時も、エネルギーを出し切ることを求められて、追い込まれて、追い込まれて、ギリギリのところで、何か光を掴めたような気がしていました。

でも、岩松さんの場合は、何もしない、動かないまま静かにエネルギーを放出していくような。そういう芝居を求められている気がします。正直、全然わからないですけど(笑)。僕自身は、「もう一回」「もう一回」と言われる方がいいタイプなので、岩松さんの粘り強い演出方は、有り難いです。やり直す間に、自分も考えて変化していける。時間をかけることで、言葉のニュアンスをより深く掘り下げられるのは、俳優だけじゃなく、演出家の方も同じなんじゃないかと思うので。

画像1: 動かないまま静かに エネルギーを放出していくような。 そういう芝居を 求められている気がします。

――旅についても伺いたいです。勝地さんは、旅行は好きですか?

勝地:僕、実はこれまで、あまり旅ってしてこなかったんです。一人旅も好きじゃなかった。結婚して、妻に誘われて、いろんなところに行くのが楽しくなった。

ベタですが、パワースポットと呼ばれる場所には、去年から割と足を運んでいます(笑)。伊勢神宮、箱根神社、「ジブリの森」……とか。「ジブリの森」は旅とは言えないか(笑)。あとは、東京タワーに登ったり。それまで通り過ぎるだけで、足を踏み入れたことがなかった場所に、敢えて出かけてみるようにしています。

 

 
――それまで、どうして旅は好きじゃなかったんですか?

勝地:今って、SNSもあって、誰もが旅先で撮った写真を、インスタにアップしたりするじゃないですか。だから、行ったことがない場所でも、何となく、行った気分になれてたんでしょうね。誰かが「どこどこ、良かったよ!」って教えてくれても、「いろいろ見て知ってるし」みたいな冷めた感じでした、20代の頃は。

あとは、20代前半は、頭の中のほとんどを芝居のことが占めてたから、暇な時間ができると、俳優仲間と飲みにいって、意見をぶつけあったりすることが楽しかったんです。そういう時間を大事にしていた。でも、20代半ばも過ぎると、人が芝居についてどう思っているかはどうでもよくなってきて。

自分がちゃんと役と向き合うことが大切なんだって思えたんです。そこからは、割と一人でいることが多くなって。飲みに行く時も、人と約束するのが好きじゃないので、ふらっと出かけたり。そういう感じでした。でも、3年前、伊勢神宮に友達と行った時に、「あれ?なんか気持ちいいな」「知らない場所に行ってみるのって、面白いな」と思ったんです。

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