――確かに、多くの人が私生活に興味は持ってますよね。広末涼子で検索をしたら、旦那、結婚、というワードが一番に出てくるし。14歳からお仕事してきて、35歳の今は、3児の母で、結婚、離婚、再婚も経験してることを考えると、同世代の女性の倍の人生を早回しで歩んできてるともいえる。

「実際、色々な経験はさせてもらってきたし、話してないこともたくさんある。自伝を書いたら相当波瀾万丈で、絶対に面白すぎると思います(笑)。特に今まで、ネガティブな話はしてこなかったので、順風満帆で自由奔放で……って見えるかもしれないけど、はっきり言って実は笑っちゃうくらい不幸もしょってるし、苦労もしてる。でも、30代にもなって、痛みや苦しみを経験したことない人なんていないと思う。誰しもそこは同じ。

今までは、私の私生活でのしんどい事なんて公表する意味はないと思ってきたけれど、それも共有することで、誰かの何かの前向きになれるきっかけになったりするなら話すことにも意味があるかもしれない! 正直、いわゆるマスコミ・芸能界みたいなものって、今でも苦手意識がある。でも、それがこの世界のすべてではないし、私が夢見たようにこの世界を夢見てるコに、同じ夢を与えたいなっていう思いもある」

――なるほど。自分の不用意なひと言で、そういう子たちの夢を汚したくないということ?

「本当にそれは大きいです。それに、ドラマ、舞台、映画、この雑誌1ページであっても、夢を与えられる世界だと思っているから――。誰かに、パワーだったり元気、勇気、希望、すごくポジティブなものをメッセージ出来る特殊な仕事だと思うし、そこが好きなことに変わりはない。それが自分の憧れでもあり、そういう存在でありたいと思うし。純粋にお仕事としても、好きだからこそ100%満足することって一度もなくて、もっと上手くなりたい。

そういう、〝もっともっと〞っていう向上心も、好きだから生まれてくるもので、そこも10代の頃から変わってない。最初は女優業は〝夢〞だったけれど、もしかしたら〝天職かも〞と思えた20代を経て、最近は〝自分の使命〞って思うようになった――。

私の人生の中に、この仕事がなければ、〝主婦業〞や〝母親業〞にどっぷり入りたい気持ちもすごくある。やってもやっても、やりたいこと、やってあげたいことはとめどなく出てくるし、そういう家庭での仕事と、わざわざ並行してまで、どうして女優業を辞めたくないかって考えたとき、作品に関わるということが自分に出来る〝社会貢献〞になるかもと思えるようになったことが大きいんです」

――社会貢献という意味合いでの使命感?

「そう思うようになったきっかけは、東北の震災。あの時、自分はなんて何もできないんだろうって思った。そんな方はたくさんいらっしゃると思うんですけど、すごく無力感、虚無感に襲われて、悔しくて悲しくて。役者って台本がないと何もできないし、スタッフがいないと舞台も作れない。そんな自分にすごくガッカリした。

ただ、実際に現地に足を運ぶ機会が出来た時、握手をしただけで涙を流して喜んでくださる方々がいて。その時に、私ってなんてありがたい仕事をしてるんだと、これは続けなきゃいけないと思った。私を見て元気になってくれたのなら、この人にまた返す気持ちで仕事の現場に立って、それがまた作品を通じて、その人の目に触れて『私、広末涼子と会ったことあるのよ』って喜んでもらえたり元気になってもらえたら、そうやって繫がっていくんだなと。それが出来たら一生ものだなと思った」

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●情報は、FRaU2016年7月号発売時点のものです。
Photo:ND CHOW Make-up:UDA Hair:KEIKO TADA(mod’s hair) Styling:Machiko Hirano Interview:Takako Tsuriya Composition:Mayuko Kobayashi