――何が一番違ったの? 海外のお仕事をしてみて。

「先入観というものが一切なく、真っ直ぐに〝その人を見てる〞気がした。私のことも初めは〝日本からきた小さな女の子〞みたいな接し方だったのに、撮影を重ねていくうちに女優として認められていく瞬間、瞬間があって、年齢もキャリアも関係ない世界だった。完全な実力社会で、ある意味無駄もない。変な気遣いもいらない。プロフェッショナル同士、時間も労力も無駄に使わない。最高のモノを見せるために、みんなが少年みたいに無邪気にものを作ってるという空気感がありました。

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――そんなところに、くだらない質問をされてしまったと。

「日本に帰ってきちゃったな……って。かといって、私は海外を拠点に仕事がしたいわけではなかったんです。実際に、海外での先々のお声がけも頂いたんですけど、私は家族だったり友人だったり、自分の近くの人たちに喜んでもらいたい思いが強くて。仕事だけを極めていったり、上りつめたいわけではないことにも気づいて、私は日本がいいんだなと感じました」

――違和感が残るような場所でも?

「それまでの5、6年で、確かに芸能界のそういう部分も知ってしまったけれども、自分が夢見てた世界はそれだけじゃなくて、夢見てた世界のまま表現したいというか。

私が結婚後、家庭や子供の話はNGですという方針で仕事をしてきたのも、作品を観てもらう時に、私生活が見えないほうが役にハまりやすいということもあるし、お芝居を続ける上では、自分自身を理解してもらう必要性はあまりない気がして、〝広末涼子〞をプロモーションするようなお仕事は遠慮してきたんです。変な噂や記事だったりっていう騒音が耳に入っても、別に自分が耳をふさいでいればいいだけのことで、作品で返せたらいいんじゃないかと思って生きてきた――。

だけど、『WASABI』の会見然り、やっぱり話さないと分からないことってありますよね。他にも多々……弁明すればいいんですけど。例えば、それで裁判ってことになったりすると、すごく現実的なことになってしまうでしょ。誰かと戦ったり争うことをメディアを通して見せてしまうと、私が夢見ていた女優さんってそうじゃなかったし、『そんな世界』なんだとがっかりさせたくなくて、避けてきたのは事実。

ただ、時代的にも、この10年程で変化してきてみんなオープンになってきて、良くも悪くも芸能人だからという特別感もなくなってきつつあるし、私自身のことに興味を持ってくださる人たちがいるなら、隠すことは何もないと思った」