2019年の「両会(中国人民政治協商会議と全国人民代表大会)」は前者が3月3日から、後者は3月5日からそれぞれ開催されているが、これに先立つ3月1日の午後に中国政府「農村農業部」はアフリカ豚コレラに関する記者会見を開催した。
会見の中で農村農業部が招聘した専門家である中国工程院院士の陳煥春、国家食品安全リスク評価センター実験室主任の李鳳琴、中国農業大学教授の楊漢春の3人は記者の質問に答えて次のように述べた。
なお、農業農村部が2月21日に発表した『2019年1月期・監視測定県400カ所の豚飼育数情報』によれば、2019年1月末時点における豚の飼育数は前年同期に比べて12.6%減少し、繁殖可能な母豚の飼育数は前年同期に比べて14.8%減少した。
アフリカ豚コレラの流行は一向に沈静化せず拡大していることから、この数字は1ヵ月後の2月末時点ではさらに減少幅が拡大しているものと思われる。
2018年11月23日に農業農村部が発表した「8月初旬のアフリカ豚コレラの感染が発見されてから11月20日までの疫病情報」には、20の一級行政区内の47の市(区、盟)で73件の飼育豚の感染、1件の野生猪の感染が確認され、累計60万頭の豚が殺処分されたとある。
それから2ヵ月後の19年1月16日に農村農業部は「アフリカ豚コレラの中国豚肉市場に対する影響は限定的だ」として、19年1月14日までに24の一級行政区で発生した飼育豚および野生猪の感染に関連して累計91.6万頭の豚が殺処分されたと発表した。
さらに1ヵ月半が経過した2月末時点では殺処分の総数は100万頭を超えていることは間違いない。
2月28日に国家統計局から発表された『2018年国民経済・社会発展統計公報』によれば、2018年通年の豚・牛・羊・家禽(鳥)肉の生産量は8517万トンで、前年比0.3%の減少であった。
その中、豚肉生産量は5404万トンで前年比0.9%減、牛肉生産量は644万トンで1.5%増、羊肉生産量は475万トンで0.8%増、家禽肉生産量は1994万トンで0.6%増であった。また、2018年末における豚の飼育数は4兆2817万頭で、前年比3.0%減、豚の出荷数は6兆9382万頭で1.2%減であった。
この数字を上記の1月末時点の飼育数と比べると、わずか1ヵ月で減少幅が拡大していることが分かる。