殺処分ゼロの悲しい歪み

動物愛護相談センターでは、簡単に動物を引き取らないようにしている。「もっとたくさんの動物たちを収容できるセンターを行政も作ればいいのに」という声もある。確かにそれは理想だ。しかし、動物の保護も致死処分も税金で行われている。こういった行為が税金で行われることに対して、どこまで行政がすべき問題なのかは難しい。

現在、動物愛護相談センターの収容動物数は減少しているが、多かった時期には犬舎が満室になると、押し出し式に致死処分が行われていた。そんなとき、動物愛護相談センターに行くと、翌日の処分が決まっている動物から、どの動物を優先して引き出すのか、命を選別しなくてはいけなくなる。動物が好きで保護活動を始めたのに、そういった現実と向き合わされるのだ。

生死の選別なんてできない、全部保護したいと思う。でも、譲渡先が見つからない動物を受け入れてしまうと、延々とシェルターを占有されてしまう。その結果、ひとつの命は救えるが、結局は将来に救えるであろう複数の動物を見殺しにすることにもなってしまう……。

しかし、そうとわかってはいても、目の前に明日いなくなる動物を見ると、先のことを考えずに連れて帰りたくなってしまう。日々、そんな葛藤の繰り返しだ。保護活動を継続し、結果的に多くの動物を救うには、強い自制心が必要だということを知った。

子猫は母猫代わりに排泄の介助、2~3時間おきのミルクなど付きっ切りのケアが必要に。春から夏にかけての子猫シーズンはミルクケアのボランティア確保が課題になる。写真提供/友森玲子