保護犬猫が話題の今、保護活動するボランティアへの負担が大きくなっている。写真提供/友森玲子

膨大な負担も…動物ボランティア「命を選ばなければならない悲しみ」

みんな救いたいからこそ、つらい…

「愛護団体なのになぜうちで飼えなくなった子を引き取らないんだ」
「困った人を助けるのがあんたらの仕事じゃないのか!」
「好きで犬猫の保護活動をやっているのに、受け入れないとは何事か!」


弾丸のように投げつけられる言葉……。

動物保護シェルターを運営している特定非営利活動法人『ランコントレ・ミグノン』の友森玲子さんのもとには、ひっきりなしにこんな電話がかかってくるという。

「動物保護関連のお問合せは、通常は仕事があるため、電話では受け付けていません。動物愛護センターへ処分の相談をした人たちの電話が回ってきて、多いときは日中まったく仕事になりません。ほとんどが、ペットの放棄をしたい、飼えないから引き取ってほしいといった依頼。どれも一方的な要求ばかりで高圧的。正直うんざりする毎日です。

しかも、そういった動物の受け入れを拒否すると、受け入れないことを責められる。“動物ボランティアは何でもしてくれる”、“好きで活動をしているのだから何でもするのが当たり前”という論理があるのでしょう」と友森さん。

保護犬猫が話題になり、動物ボランティアを始める人、関心を持つ人も増えている。しかし、実際の現場は厳しく、さらに多くの人に誤解されている面も多く、せっかくの活動で傷ついてしまう人もいる。

今回は、“動物ボランティア”が行っている活動とは何か、また、動物ボランティアが抱える問題も含めて、友森さんに話を伺った。
 

動物ボランティアといっても形はひとつじゃない

“動物保護”、“動物ボランティア”とひとまとめにしがちだが、関わり方には様々な形があることをご存知だろうか。代表的な種類はこんな感じだ。

・近隣の保護シェルターへ通いで世話をする人
・保護動物を自宅で預かる通称“預かりさん”と言われる人
・自分で保護団体を立ち上げる人(両立しやすいからか自営業の方が多い)
・地域猫を増やさないために捕獲をして不妊手術を施す活動(TNR)をする人
・飼い主のいない動物を保護して譲渡をする人
・募金や物資援助でサポートする人 など

活動している人のほとんどは、無利益で活動するボランティアだ。別に仕事や家庭を持ちながらプライベートな時間を利用して保護活動を行っている。それぞれが自分ができる範囲の保護活動を行っているため、自分の活動の範疇を超えた依頼には応えられないケースも少なくない。

例えば、地域猫の不妊去勢手術を行ってリリースする(TNR)を行っている人は、猫を保護して連れて行ってほしいと言われると活動範囲が異なるので、困ることもあるのだ。一口でボランティアと言っても、ひとつではくくれない部分があることをまずは知ってほしいと思う。

私が運営している『ランコントレ・ミグノン』は現在、特定非営利活動法人(NPO法人)を取得しているが、同じようにNPO法人にしている団体、非営利の一般社団法人として行っているところもある。また、そういった組織にせず、非法人として活動しているグループも数多く存在する。小さなグループや個人での活動も加えれば、把握できないほど存在している。

友森さんが運営する東京・千駄ヶ谷にある施設は、グッズショップ&サロン、動物病院と動物シェルターの3つの柱が複合した作りになっている。撮影/山内信也

活動の運営費用は、支援者からの募金や物資の援助が中心だ。最近では、グッズ販売やイベント、譲渡形式のカフェ運営などで活動資金を得るために工夫をしているところも増えている。しかし、懐事情が厳しい団体や個人も多く、自分の貯金を切り崩したり、生活費を切り詰めて保護活動を続けたりしているケースも少なくない。

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