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ファーウェイが開いた「対アメリカ怒りの会見」その全容を公開する

日本も対岸の火事ではない

華為技術(ファーウェイ)という会社は、言ってみれば「中国の象徴」である。中国そのものと言ってもよい。

習近平主席をトップに戴く中国が、「一帯一路」という新型の外交戦略を引っ提げて世界を包み込もうとしているように、華為は「5G」という次世代通信技術システムを引っ提げて、世界を包み込もうとしている。華為は「一帯一路」のエンジンであり、血脈なのである。

華為なしに今後の中国の発展は考えにくいし、習近平政権なしに華為の発展も難しいだろう。

華為は一民営企業でありながら、中国の未来を背負った「巨竜」である。そして巨竜は、さらなる飛翔を果たそうとした矢先、米トランプ政権から毒矢を放たれて、いま必死にのたうち回っている――。

アメリカ国防権限法889条は憲法違反か

北京の人民大会堂で年に一度の全国人民代表大会(3月5日~16日)が開催中の3月7日、北京から2000㎞離れた深圳の華為技術(ファーウェイ)本社で、「憤怒の会見」が開かれた。

登壇したのは、郭平・華為取締役副会長兼輪番会長、宋柳平・同上級副社長兼最高法務責任者、ジョン・サフォーク同上級副社長兼グローバルサイバーセキュリティ及びプライバシー保護責任者、グレン・D・ネイガー・ジョーンズ・デイ法律事務所パートナー兼主任弁護士、楊超斌・華為5Gプロダクトライン・プレジデント、李大豊・同監視委員会執行メンバー兼ICTインフラストラクチャ管理委員会室ディレクターの6人である。

郭平・華為取締役副会長〔PHOTO〕gettyimages

中央に立った郭平副会長が、流暢な英語で、声を荒らげて述べた。

「本日、華為は、米テキサス州プレイノにある連邦地域裁判所に、アメリカ政府を相手取って訴訟を起こした。

アメリカ国防権限法の889条は、いかなる行政手続きや司法手続きも踏まずに、すべてのアメリカ政府機関に対して、華為の機器とサービスを購入することを禁止した。さらには、華為の機器とサービスを購入する企業・組織との契約締結や、これらの企業・組織への資金・融資の提供をも禁止している。

これはアメリカ合衆国憲法の私権剥奪法条項、デュープロセス条項に反する。同時に、アメリカ議会が、立法だけでなく法の裁決と施行まで行おうとしている点で、アメリカ合衆国憲法における三権分立の原則にも反している。

アメリカ議会は過去に一度たりとも、華為製品への制限が妥当であることを示す証拠を示して来なかった。そのため、私たちは適切かつ最後の手段として、法的措置により対応することにした。

889条は、合衆国憲法に反するのみならず、華為の公平な競争への参加を妨げ、最終的にはアメリカの消費者の利益を害することになる。裁判では、アメリカの消費者に有益となる正しい判決が下ることを願っている。

この法律が撤回されて初めて、またそうされるべきだが、華為はアメリカの幅広い顧客に先進的な技術を提供し、最先端の5Gネットワーク整備を支援することができるようになる。

華為には、アメリカ政府が持つセキュリティ上の懸念を解消する意思と用意がある。国防権限法による制限措置が取り消されれば、アメリカ政府と華為は、真のサイバーセキュリティ問題の解決に向けて、ともに取り組めるようになるだろう」

 

続いて、宋柳平・華為最高法務責任者も、次のように強調した。

「889条は、多くの誤った、証明や検証を経ていない主張に基づいて定められたものだ。同法における仮説は事実に反しており、華為は中国政府の所有物ではなく、その支配や影響下にもない。また、セキュリティにおいても優れた実績と体制を有している。一方、アメリカはこれまでに、華為のセキュリティ上の問題に関するいかなる証拠も示していない」

さらに、ジョン・サフォーク同社上級副社長も述べた。

「華為は、サイバーセキュリティに関して、世界で最もオープンで、最も透明性が高く、最も徹底的に外部の検証を受けてきた会社であり、それを誇りに思っている。華為は、製品の開発と展開のプロセスにセキュリティを組み込むことで高い基準を確立しており、これを満たすことができる企業は、他にはほとんどない」

ジョン・サフォーク同上級副社長〔PHOTO〕gettyimages

この日、華為が公表した資料には、こう記されている。

〈 華為は、アメリカ国防権限法による制限措置によって、華為がより先進的な5G技術をアメリカの消費者に提供することを妨げられれば、アメリカにおける5Gの商用利用を遅らせ、結果としてネットワーク性能の進化も立ち遅れると考えています。

さらに、アメリカ郊外で通信サービスを利用するユーザーは、高品質で手頃な価格の製品か、アメリカ連邦政府が資金援助する製品のどちらかを選ぶよう強いられることにもなります。そうなると、郊外ネットワークの更新はより困難になり、デジタルデバイドはいっそう深刻化するでしょう。

また、華為に対する制限措置はアメリカ市場の競争欠如につながり、消費者は性能の劣る製品に対して、高額な対価を支払うことになります。業界の予測によると、華為が市場競争に参加することが許されれば、無線インフラの整備コストは15%~40%削減できます。また、北米の通信事業者は、4年間で総額200億ドル(約2兆2,328億円)を節約できると予想されています 〉

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