2019.03.14
# ユーロ

TPP11の中心国・日本は世界再編のキャスティングボードを握るか

脱EUの英国を取り込め
大原 浩 プロフィール

TPP11とASEANがポイントである

安倍首相は、中韓北にはまったく人気が無い。それもそのはずで、日本の国力を増し、偉大な国へと復活させようとし、かつその潜在力を持つ偉大な宰相が、彼らにとって邪魔ものであるのは想像に難くない。中韓北の意向を忖度しているように見える、オールドメディア(新聞・雑誌・テレビ)も同様である。

しかし、筆者は国内経済における「アベノミクス」なるものはまったく幻影であったと考える。特に黒田バズーカと呼ばれる「超金融緩和政策」は間違いであったとさえ思う。

それでは、なぜ日本経済が好転したのか? それは「悪夢」と呼ばれる時代のような日本を痛めつける「余分なこと」をしなかったので、日本国民の自助努力で「戦後最長の景気拡大」を実現したのだ。日本国民の実力を侮ってはいけない。

しかし、外交の成果を考えると安倍首相はたぶん明治以来の数ある首相の中でもトップクラスといえるだろう。

トランプ大統領に高く評価されていることは、先日の米朝会談で「日本人拉致問題」が真っ先に提起され、金正恩氏を慌てさせたことでも明らかだ。欧米をはじめとするほとんどの国の首脳からも一目置かれている。

これだけの国際的プレゼンスを持った日本の首脳は、日本の歴史の中で初めてというとほめすぎだろうか?

特に、米国が離脱し空中分解しかけたTPP(環太平洋経済連携協定)をTPP11という形でまとめ上げた功績は素晴らしい。世間で評価されないのは誠に奇妙である。

実はTPPの11ある加盟国のうち、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドは現在の英連邦16ヵ国に含まれる。

また、マレーシア、シンガポールはかつて英国領であった。加盟国ではないが、インドもかつて英連邦に属していた。もちろん、米国は独立戦争で英国と戦火を交えたが、文化的ルーツは英国にある。

なお、加盟国の中でベトナムは共産主義の国であるが、ASEAN加盟10ヵ国の1つでもある。

親日的な国であるだけでなく、激しい戦いを繰り広げた米国や、その同盟国という名のもとにベトナムで数多くの虐殺事件を引き起こしたと報じられる韓国とも「大人の関係」を構築できる懐の深さを持った国なので、TPP11にASEAN各国を取り込む導火線になるかもしれない。

ただし、あくまで「共産主義一党独裁」を信条とする国なので、警戒は必要である。

 

ファイブアイズに入りたい

「機密情報の共有」は、国家同士の信頼の証である。最近、米韓軍事演習の規模が縮小されたのは、北朝鮮への配慮や経費の節約というよりも、従北の文政権支配下の韓国軍と機密情報を共有せざるを得ない軍事演習を行いたくないというのが本音であろう。

日本との間で引き起こした「レーダー照射事件」の顛末をすべて承知の米国が、韓国をどう思っているかは明らかである。

その戦略上最も重要な秘密情報を共有するUKUSA協定の加盟国は、米国、英国、 カナダ、オーストラリア、ニュージーランド の5ヵ国だ。

このUKUSA協定は、もともと第2次世界大戦中にドイツの「エニグマ」暗号を米英共同で解読したのが始まりである。お互いの秘密情報を交換できるほどの信頼関係が英米間には今でも存在し、湾岸戦争やテロとの戦いなど今日の戦争でも米国は英国を「頼り」にしている。

英国は間もなくブリグジットでEUを離れるが、そうなればTPP11に加盟することが可能だ。またトランプ大統領も、一度は脱退の決断をしたがTPP11の成功を見て、復帰の希望を持っているといわれる。変わり身の早さがトランプ氏の持ち味である。

もし米国と英国が加盟すれば世界のGDPの40%に及ぶような巨大な経済圏になる。

米国は前述のように黒船以来の付き合いである。また、英国は明治維新において新政府軍(現日本政府)を支持した。そして、どちらの国も第1次世界大戦では日本の「友軍」であったのだ。日本では第2次世界大戦での敗戦ばかりが強調されるが、日本は第1次世界大戦の戦勝国である。

欧米では、第2次世界大戦勃発の1939年のたった21年前の1918年に終結した第1次世界大戦の記憶は新しい。

いいことずくめの「入英米(英連邦)」だが、懸案事項が1つある。「スパイ防止法」が整備されていない日本は、今のところ秘密情報を交換するUKUSA協定に加盟できる見込みがないということだ。

これは極めて深刻な問題であり、日本でも早急にスパイ防止法を成立させなければならない。

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