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平成に起きた「移民増加という現実」をどう考えるか

「建前」と「現実」のギャップ

「平成」が終わろうとしている――。

平成という時代は多くの社会的な地殻変動が起きた時代だった。

その一つとして取り上げなければならないものは、日本社会の「移民」の増加である。

平成の30年間で在日外国人数は約3倍に増えたのだ。

平成の間に98.4万人から263.7万人へと増加した

これが日本社会の現実だ。

コンビニでも、レストランでも、近所でも、街の中でも。外国につながる人々と共に暮らす日常はもはや日本の当たり前の風景になったのだ。

その上で、さらなる外国人の受け入れをめざした新たな法案の施行が眼前に迫っている。

 

新たな法律をめぐる「いくつもの疑問」

2019年4月1日から、新たな改正入管法が施行される――。

この改正入管法をめぐって、ウェブ、新聞、テレビで毎日のように様々な声が聞こえてくる。

では、新しく施行されるこの改正入管法、正確に言えば「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」とは一体どのような法律なのだろうか?

臨時国会を短時間で通過した法律でもあり、全体像がなかなか把握されていないのが現状ではないだろうか。

この法律が急仕上げで作られたそもそもの背景はなんだろうか。

法律の意図はなんだろうか。

法律が抱えている問題点とはなんだろうか。

施行後に日本社会は一体どのように変化していくのだろうか。

そして、この法律は「わたしたち」もしくは「わたし」の日常生活にどのぐらい関わってくるのだろうか。

十分な審議を経ないまま公布された法律について、上記のような反応が聞こえてくるのも当然だ。

しかし、改正入管法の文言を全て読み理解したところで、これらの疑問や不安に対して十分な答えを得られるだろうか?

法案の経緯や意図を正しく把握し、今後の日本社会のあり方を想像していくためには、在留外国人が約3倍も増加してきた、この平成の大きな地殻変動そのものの「現実」を見つめていく必要がある。

今求められているのは、この30年間で日本社会はどのように変化してきたのかを捉えるための「見取り図」だ。

その見取り図として最適な書籍が、日本の移民文化・移民事情を伝えるウェブマガジン「ニッポン複雑紀行」編集長・望月優大氏によって執筆された『ふたつの日本――「移民国家」の建前と現実』(講談社現代新書)である。