2013年、当時のアジア現代美術最高額の2330万ドルで落札されたザン・ファンジィの《最後の晩餐》とサザビーズ・アジアCEOケビン・チン氏(Photo by gettyimages)

知ってましたか?中国がいま、世界屈指の「現代アート大国」に変貌中

当局の後押しと規制の中で

上海で「美術館建設ラッシュ」到来

近年、現代美術の世界において中国の存在感が日ごとに増しており、そのシーンの動向が国際的に大きな注目を集めている。

Art Basel and UBSが発表している統計「The Art Market 2019」によれば、2018年の中国の美術市場の規模はアメリカ、イギリスに次いで世界第3位となっている。GDP世界第2位の経済力は、アートマーケットにも反映されているのである。

また同統計によれば、2018年の世界全体のアートマーケットの規模は674億ドルで、中国はそのうちの19%を占めた。「戦後・現代美術」部門のオークションセールスに限れば、そのシェアは31%に及び、アメリカに次ぐ世界第2位の座につけている。

クリスティーズ上海のオークション(Photo by gettyimages)

中国の中でも近年、特に注目を浴びているのが上海のアートシーンである。上海といえば経済都市というのが一般的なイメージかもしれないが、現代美術の方面でもここ数年でダイナミックな成長を見せている。

2012年に上海当代芸術博物館(中国初の国営現代美術館)と龍美術館西岸館(個人コレクターによる民営館)がオープンしたのを皮切りに、上海では美術館建設ラッシュが続き、現在でも新規開館に向けて複数の施設で準備が進められている。

 

とりわけ、政府の旗振りのもとで開発が進められている西岸(ウェストバンド)と呼ばれるエリアの発展のスピードは目覚ましいものがある。

西岸エリアの急発展の背景には、2010年の上海万博跡地に隣接するこのエリアを文化地区(西岸文化回廊)として開発するという、2011年に地元政府によって打ち出された大方針がある。政府が企業や個人の有力コレクターに、それらの土地を有利な条件で提供して誘致し、そこに民営の文化施設が次々と設立されているのである。

上海当代芸術博物館。中国初の国営の現代美術館で、発電所を改装して設立された。上海万博では「都市未来館」として使用された建物でもある。(Photo by gettyimages)
インドネシア華人のコレクターによって西岸エリアに設立された余德耀美術館