想定以上に減速するユーロ圏経済…いったい何が起こってる?

中国経済も大きく影響…?

現在、ユーロ圏の景気は、急速かつ想定以上に減速している。経済状況はかなり厳しい。中国経済の成長率低下懸念などを考えると、ドイツをはじめユーロ圏の経済は一段と減速する恐れがある。今後、各国で有権者の不満がさらに高まるだろう。ドイツやイタリアを筆頭に、欧州全域でポピュリズム政治に拍車がかかり、経済に影響が波及するリスクは高まっている。

3月7日のECB理事会では、ドラギ総裁が思い切った措置をとった。そうせざるを得なかった理由は、先行きのリスクを抑えることだ。特に、利上げの時期を来年に先延ばしすると発表したことは、市場にかなりの衝撃を与えた。ドラギ総裁の踏み込んだ提案を受け、多くの市場参加者が「そこまでしなければならないほど、ユーロ圏の景気は厳しい」との認識を強くした。

 

減速が鮮明化するユーロ圏経済

現在、ユーロ圏の景気は下り坂を転がるような勢いで減速している。状況は想定以上に厳しい。それは、ユーロ圏の経済を支えるドイツの景気動向を見ればよくわかる。2018年1月以降、ドイツの製造業PMIは右肩下がりだ。その結果、昨年7~9月期、ドイツの実質GDP成長率は前期比▲0.2%に落ち込み、10~12月期の成長率は同0.0%だった。

ドイツをはじめとするユーロ圏の経済は、自力で成長を実現することが難しい。ドイツでは人口が減少している。加えて、南欧では構造改革が進んでいない。銀行システムも不良債権問題や収益力の低下といった問題に直面している。そのため、ユーロ圏の景気は中国の需要を取り込んで回復を遂げてきた。この関係は、月と太陽に似ている。

ユーロ圏経済にとって頼みの綱である中国は、経済成長の限界に直面している。共産党内部では、習氏への批判や不満も増えている。政府は財政のばらまきによって目先の景気を支えざるを得ない。短期的に、この対策はそれなりの効果を示すだろう。同時に、中国の債務問題は深刻化している。長期的にみると中国経済の先行きはかなり不安だ。

ECB関係者にとって、中国経済の減速は想定以上だったはずだ。昨年後半、ECB関係者からは金融の緩和措置が必要との認識が相次いで出されてきた。同時に、ユーロ圏の金融環境はすでに、かなり緩和的だ。ECB内部には、どのように今後の金融政策を進めればよいか、かなりの困惑が広がってきたといえる。

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