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次の危機の芽…アメリカが直面する「ドル化した世界」という深刻問題

急増するドル建て債務は看過できない

FRBを取り巻く環境

年始の市場混乱はいまだ記憶に新しいが、年初2か月間の落ち着きを経て米国経済の復調とそれに伴うFRB(米連邦準備理事会)のタカ派路線復帰、結果としての米金利とドルの上昇を予想する声が再び勢いを得ている。

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だが、この流れそのままに再び米金利やドルの上昇が戻ってくると考えるのは現実的だろうか。

この点、そもそも昨秋以降、なぜFRBが政策姿勢を急旋回させたのかを今一度思い返したいところである。

理由は複数あろうが、少なくとも①資産価格(不動産価格や株価など)への配慮、そして②新興国市場への配慮という2つの配慮があったことは周知の通りである。

このうち①に関しては多くの説明を要しまい。

米10年金利が3%や3.2%といった大台に乗った直後、株価が急落したのが昨年2月や10月だった。今後、米10年金利が再び往時の水準を取り戻したとしても、同様のことが起きる可能性が非常に高いだろう。

もはや米金利上昇は株式市場に徹底的にマークされる存在ではないか。

とすれば、ここから米金利とドルが一段と加速し、ドル/円相場も押し上げられるというシナリオはやはり難がある。

 

そうなるためには「株式市場(ひいては米経済)が米金利上昇に耐えられる」という前提が必要になろうが、米10年金利の騰勢が2018年を通じて断続的に株式市場を荒らした経緯を思い返せば、非現実的と言わざるを得ない。

確かに最近1~2年は株式市場が荒れても昔ほど円高にならなくなっている。しかしだからといって「株価急落時に円安が進む」ということはない。

「円高が進まないこと」と「円安になること」は似て非なる事実だ。