ヨーロッパでは「ハーブ薬局(フランス語ではエルボリステリア)」というものが古くから存在し、不調を感じたときのケアとして一般的であるハーブチンキ。
今回は、不調にあわせて使い分けたいおすすめハーブをピックアップ。
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不調別おすすめハーブ
生理痛・PMS対策には……
「メリッサ(レモンバーム)」
女性ホルモンのプロゲステロンと似ている作用があり、ヨーロッパでは婦人科医もよく使うハーブ。生理不順、生理痛の緩和だけでなく、精神を和らげる作用もあるため、PMSでイライラしがちな人、うつ症状に悩まされる人に最適。2~3周期後から婦人科系の症状に変化が出るはず。
妊活・ダイエットには……
「ラズベリーリーフ」
“安産のハーブ”とも呼ばれ、メリッサとともに婦人科系のトラブルの際に頻繁に用いられる植物。抗酸化力の高いポリフェノールが膣粘液の分泌を促し、妊娠力を高める。また粘膜を強化してウイルスや菌を予防する作用や、羊水を保護する羊膜にもよいとされているので、妊娠後期にも。
アレルギー・風邪予防には……
「エキナセア(ムラサキバレンギク)」
実際に風邪をひきにくくなった、治りが早まったという研究も多数報告されているエキナセア。優れた抗菌力と免疫力アップの作用がある。インフルエンザ対策や、花粉症・アレルギー性鼻炎の症状緩和に。タイムやユーカリラジアタなどとブレンドしてハーブティーとして飲むのもおすすめ。
冷え症には……
「ギンコビロバ(イチョウ)」
毛細血管の血流改善にはこちら。フラボノイドやギンコライドという成分が血流を促し、脳を活性化させて、集中力もアップ。末梢血管障害の治療に使われる成分も多く含んでいるため、最近では認知症にいい薬剤としても注目を集めている。冷え症だけでなく脳の疲れを感じている人に。
不眠には……
「バレリアン(セイヨウカノコソウ)」
スムーズな入眠と快適な目覚めを叶えてくれるのがバレリアン。天然アミノ酸やGABAの働きを高め、脳の中枢神経に働きかけて快適な眠りを誘う。ただし、頭がぼんやりすることがあり、合成の睡眠薬との併用や大量の摂出は厳禁。香りがかなり強いので、冷蔵庫での保存がおすすめ。
精神的な不安定さには……
「セントジョーンズワート」
別名“天然の抗うつ剤”と言われ、アメリカではビジネスマンにも人気があるというセントジョーンズワート。フラボノイドやルチン、ヒペリシンをはじめとする抗酸化成分を豊富に含み、脳の神経伝達のバランスを整えてくれる働きがある。ただし、抗うつ剤との併用はできないので注意。
お話を伺ったのは……
植物療法士
森田敦子さん
パリ第13大学にて植物療法を学び、帰国後は研究者として活動。フランス植物療法普及医学協会が認定するルボア フィトテラピースクールや製品開発にも携わり、日本における植物療法の第一人者として活躍。
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●情報は、FRaU2017年4月号発売時点のものです。
Photo: Risa Shimamoto(THYMON Inc.) Styling: Mariko Nakazato Illustration: Mizuki Kojima Composition: Sachico Maeno