自分の声は嫌いでした。
でも喜んでくれる人が増えて
今ではわりと好きです

 アフレコをする段階ですでに入っていたほかの声優たちの声を聞いて、「自分もこの世界のなかでちゃんと生きて、頑張らなきゃという気持ちになりました。声の力ってすごいなと、あらためて思った」と語る。そして意外なことに、10代の頃からずっと、自分の声を好きになれずにいたのだという。

「中学生時代に曲作りをはじめた頃、最初はギターを覚えるためにヒット曲のコードを覚えて歌いながら練習していたんですね。それは楽しくやっていたんですけど、作った曲を確認するためにラジカセで録音した自分の声を最初に聞いたとき、すごく絶望したんですよ。

おのれがしゃべっている声をそのままではなくて客観的に聞くと、こんな感じなんだとびっくりしました。何だこのバームクーヘンを食べたあとのような、口のなかに水分がないもさもさした声は、って(笑)。

それで僕には歌は無理だ、好きだけど歌うことは趣味にしようと思ってインストゥルメンタルバンドSAKEROCKを組んだんです。そんなこともあってずっと自分の声は苦手だったのですが、その後、役者の仕事をしたり、’10年に歌でデビューしたりして、CDやライブ盤DVDを作ったりするうちに、慣れてきたっていうのもあるんでしょうね。何より喜んでくれる人も増えたのでいい気分になって、今は自分でもわりと好きです(笑)。

最初はすごく嫌いだったんですけど、みんなが好きだと言ってくれるならいいやという感じで、だんだん自分も嫌じゃなくなってきたんですね。コンプレックスって意外と自分のなかだけのものなんだな、と思います」

 
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PROFILE

1981年、埼玉県生まれ。00年にインストゥルメンタルバンドSAKEROCKを結成し、’10年にアルバム『ばかのうた』でソロデビュー。俳優としての出演作にドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』など。MV集『MusicVideo Tour 2010-2017』が5月17日にリリースされる。5月21日からLIVE TOUR 2017『Continues』がスタート。

【INFORMATION】
『夜は短し歩けよ乙女』後輩の “黒髪の乙女” に思いを寄せる、恋に臆病な “先輩”。なるべく彼女の目にとまるように行動する、ナカメ作戦を決行するが……。森見登美彦のベストセラー小説を、『四畳半神話体系』などで知られる湯浅政明監督が長編アニメーション化。京都のマジカルな一夜を描く青春ラブストーリー。4月7日より全国公開中。

 
●情報は、FRaU2017年5月号発売時点のものです。 
Photo:Sasu Tei(W) Styling:Teppei Hair&Make-up:Go Takakusagi(Vanites) Interview&Text:Mika Hosoya