根負けで入籍
35歳からの妊活と出産

もともと結婚にあまり前向きではなかったという川上さんが、作家の阿部和重さんとの入籍を決意したのは、なんと彼女の根負けだったとか。

「戸籍制度を設けているのは日本と台湾くらい。まったくの時代遅れで、廃止になればいいと思っています。なので入籍には相当な時間をかけて話し合いましたが、相手がどうしても入籍したいという考えだったので、平行線のままでもしょうがないと、私が折れることになりました。先日のベッキーさんの報道のときも――その問題自体にまったく興味はないけれど、でもたとえばゲスの極み乙女。の彼がもし結婚していなかったら、こんな騒ぎにならなかったかと思うと複雑な気分になりますよね。未婚者の二股、三股、というのであれば、ここまでの制裁は下されないでしょう。結婚という契約のお墨付きの強さをあらためて思い知らされました」

『ザ・フェミニズム』(筑摩書房)の中で、上野千鶴子さんは結婚を「自分の身体の性的使用権を生涯にわたって特定の異性に対して排他的に譲渡する契約」と定義した。川上さん自身も、「結婚は身体だけの問題ではないけれど、でもそのとおり。私にとっても難しいもの」と断言する。

「本来自由な人間の在り方に、無理矢理線を引く制度ですからね。結婚には良い面もありますが、でもある面では思考停止の状態でもあるわけです。人間は変わっていくものだからこそ、私はいろんな家族の形態があっていいと思うんです。シングルマザーも堂々と増えていけば、多様性が受容されていく。自分が制度や社会を変えるんだとは思えなくても、自分の選んだことに自信を持ちたい。結婚も離婚も、子どもを持つも持たないもそう。性格も育った環境もみんな違うのだから、できることなら既存の価値観に合わせずに、自信を持って自分がより良く生きるための選択をする。でも難しいんですよね。古い価値観ってどうしようもなくすり込まれてるから。それをひとつひとつ確認して取り除いていくのは、本当に大変な作業」