シンプルかつスタイリッシュで、私たちの日常にスッとなじむ無印良品のアイテム。飽きることなくずっと使い続けたくなる無印良品の魅力と、生活への取り入れ方のヒントを達人たちに伺いました。今回は、脇役に徹して周りを引き立ててくれる無印良品の“いいカタチ”に魅力を感じるという料理研究家の長尾智子さんのオススメを紹介します。
料理研究家
長尾智子さん
「無印良品はデザイナーの名前は打ち出さない方針のようですが、デザインを尊重しているなと思います。そういえば、いくつかの商品の製作に携わっているジャスパー・モリソン氏(プロダクトデザイナー)にお会いした際、彼にとって多くのワークスのひとつである無印の仕事を、とても大切にしているんだなあと感じたことがあります。デザイナーとブランドの関係がうまくいっている証拠ですよね。
私は時代を経たものが好きですが、無印の品は古いものと合わせても違和感がなくて、引き立て役に徹してくれる。キッチンや部屋の雰囲気に自然になじむから、嫌いになったり飽きることもないんです。それは、素材本来の色を活かした過度に主張がないテイストのおかげでしょうね。だからつい、身の周りに置いてしまう」
料理研究家 長尾智子さん
雑誌の連載や単行本の出版、商品開発を中心に活動するほか、WEBストア「SOUPs around the table」を主催。「Found MUJI」のプロジェクトでスペインとフランスにまたがるバスク地方に赴き、デザイン性に優れた伝統的なプロダクトの買いつけを行った経験も。
廃盤になってしまった名品も愛用中
「ずっと前に買った、今は廃盤の品もよく使っています。特にナイロン樹脂の黒いお玉は2本ストックしているほど! 食卓でお料理をサーブしたい時、この小ぶりさと程よく華奢なデザインがちょうどいいんです。復刻を切に願うくらい(笑)、いいカタチだなあと。無印良品には、デザインの力を感じさせる美しいフォルムのものが多い」
1. 土鍋おこげ
「いわゆる土鍋とは違うすっきりしたカタチと、お米に似合う黒に近い色みが好き。おかゆも作れるし、時間をかければ玄米も炊けます」
2. ダイヤル式キッチンタイマー
「すごく簡単な設計が魅力」。側面を時計回りにくるくると動かして、フェイスにある「スタート」の文字を押すだけで時間設定完了!
3. ミニクロック ★
背面には針金仕様のスタンドが。「そういう細かいところの作りと小ささがいいなあと。キッチンに置いて料理中にちらっと見ています」
4. キッチンバサミ ★
「10年ほど2本使いしています。スタンダードなカタチで扱いやすく、ずっと使っても飽きません」。現在復刻を望む声が多いと噂の品。
5. ナイロン樹脂お玉&ターナー ★
「台所と食卓を行き来させたくなる美しさ。ありそうでない逸品だと思います」。ナイロン製のため軽量で、使い勝手のよさも追求。
6. 18-8具をすくうサービススプーン
中央が空洞のため、汁気を切りながら具材を取り分けられる。「うまいことを考えたなあと。煮物などの取り分けに重宝しています」
7. バスク地方のキッチンクロス ★
「Found MUJIの企画で、バスク地方に行って買いつけたもの。世界の日用品を紹介するというFound~のコンセプトにも共感しています」
アルミシェルフ ★
「カゴや木の器を引き立ててくれる、このさりげなさが好み。ふたつ並べて随分長く使っています」。2002年に発売された今は廃盤の品。
アルミブラインド
アトリエの打ち合わせスペースの窓には、鈍い光を放つアルミのブラインドが。「雰囲気になじみつつ、適度に空間を引き締めてくれます」
●情報は、FRaU2017年3月号発売時点のものです。
掲載のアイテムは、すべて取材対象者の私物です。商品名の後に★が付いているアイテムは、現在廃盤となっています。
Photo:Taro Hirano Composition:Chihiro Horie
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「とにかくデザインが好きで2台続けて使用。今の生活には小さめですが、食材を買いすぎなくなってそれもよかったかなと」( ブランディングディレクター 福田春美さん)。
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