「ラジオパーソナリティーとしての目線も入れて、これからくる若いバンドを中心にピックアップ。なかでもイチ押しのyahyelは、その音を聴けばこんな日本人がいるのかと驚くはず。音と映像がひとつになったライヴも必見です!」(モデル 菅野結以さん)
PROFILE
フジの“Rookie”は毎年かかさずチェック
モデル
菅野結以さん
モデル、ブランドプロデューサー。“ガチの音楽マニア”として有名で、ラジオやフェスのMCなどでも幅広く活躍。最新スタイルブック『yuitopia』(徳間書店)が発売中。
感覚をじかに表現する一人ひとりが
今の時代と世代のリアルだと思う
菅野さんが「今一番アツいバンド」と
絶賛のyahyelにインタビュー!
——yahyelのみなさんにとって、2016年はどんな年でしたか?
「yahyelはいったいどういうところを目指し、どういう色を帯びているのか。これらをアルバムの制作や、欧州ツアーを含むライヴの一つひとつを通じて確認していった年でした。2017年は昨年摑んだこの輪郭をもとに、さまざまなアーティストとのコラボレーションやライブ活動を充実させていきたい」
——yahyelはメンバーにVJがいるのも特徴です。映像にこだわる理由や、この5人で目指す表現とは。
「僕らが匿名性を掲げているのは、見てくれやプロフィールではなくyahyelという表現そのものを見てほしいから。その点でライヴでは、山田(VJ)の作る映像によって、yahyelの“総体としての身体”を提示しているんです」
——yahyelが“偏愛”する、FRaU読者におすすめのアーティストは?
「Jan and Naomiと、二人それぞれのプロジェクトは頭抜けていると思います。どこにも迷いがない」
——菅野さんはyahyelを「国境やジャンルといったあらゆる“線”を溶かしていくバンド」と評していました。そんなyahyelから見た現在のシーンは?
「僕らが語るべきことは何もないかと。そもそも一つの言葉で表現できるシーンじゃつまらないし、僕らのまわりはそれぞれの感覚をじかに表現している人が多い。その一人ひとりが今の日本の、時代と世代のリアルだと思う。シーンを囲んだら終いです」
『Flesh and Blood』
2016年11月発表の1st。菅野さんは『The Flare』を絶賛。
「彼らのやりたいことが全部詰まっている。デビュー曲これできたか!と思わされました」
ダーク&ロマンティックな
独特の世界観に酔いしれる
THE NOVEMBERS(ザ ノーベンバーズ)
©Yusuke Yamatani
キュアーやスミスらを彷彿とさせる退廃的で耽美的な音楽性はもちろん、アートワークやファッションにも確固たる美学が。
「もともと近しいものであるはずの音楽とファッションが、きちんと美しく結びついている貴重な存在。ライヴではお客さんもちゃんとおしゃれしていて、そういう大人の楽しみ方ができるバンドっていいですよね」 バンドT ラジオは新曲のたびに遊びに来てくれます
『Misstopia』
代表曲『Misstopia』を収録した2010年発表の2nd。
「躍動感のある曲なので初めて聴く人も入りやすいはず。かっこいいアートワークにも注目を!」
あの頃の気持ちが蘇る
若くて青い高純度ギターロック
NOT WONK(ノットウォンク)
北海道苫小牧在住の3人組、メンバーは全員20歳前後と今回紹介する中で最年少。菅野さんは彼らを“2017年の台風の目”と予測!
「ノイジーで甘いギターの音が好きすぎる……(笑)。やっぱりロック最高!って気持ちにさせてくれます。騒がしいのは最近あんまり聴かなくなった、そんな大人たちにこそ聴いてほしいバンドです」
『This Ordinary』
2016年発表の2nd。イチ押しのタイトル曲は、2016年の夏のアンセムだったとか。
「初めて聴いた時に打ち抜かれました。意外に玄人好みな音も◎」
成長がひとつの到達点に
ライヴを観るなら今しかない!
D.A.N.(ダン)
2015年のフジロック「ROOKIE A GO-GO」で一躍注目の的となり、2016年もレッドマーキーへ異例の出演を果たした。
「ダンスミュージックともアンビエントともとれる音楽性は本当に夜が似合う。主要なライヴはほぼ観ているけど、毎回進化が凄いんです。若さゆえの粗さはすでに消えて、アーティストとして完全に仕上がっていますね」 ライヴでは音楽に夢中で毎回写真撮り忘れるからこの一枚は貴重(笑)
『D.A.N.』
2016年発表の1st、菅野さんおすすめは『Native Dancer』。
「曖昧さを残した歌詞もいい。この感じはyahyelもしかりで、この世代のリアルだと思う」
その純粋さに心が浄化される音
こんな大人になりたい理想形
toe(トー)
メンバー全員がそれぞれに本職を持つ、異色のポストロックバンド。
「他のバンドは先取り的な感覚もあるけど、toeはもう偏愛でしかない(笑)。みんな仕事があるから食べるための音楽は必要なくて、その純粋さが出ているから音だけで泣けてくる。好きなことを心底楽しんでいる姿が本当にかっこいいです。一生好きなバンドですね」
『The Future Is Now EP』
2012年発表の3rdEP。toeを知らない人にすすめるなら
「ボーカル入りで聴きやすい『月、欠けfeat.ACO』を。でも『グッドバイ』もいいんだよなあ(笑)」
もっとハマりたい人に結以的オススメ
BAYON PRODUCTION
D.A.N.が所属するレーベルで、ほかにもneveryoung beach、Yogee New Wavesらが。
「アタリな旬のアーティストしかいないのが本当に凄い。主宰の北澤さんの目利きっぷりに、ただただ拍手」
BAYON PRODUCTION
HP:http://bayon-p.com/
Flake Records
「大阪のレコードショップで店主・ダワさんのセレクトが素晴らしい。好みを伝えるとおすすめを教えてくれます」
Flake Records
大阪府大阪市西区南堀江1-11-9-201
☎06-6534-7411
営業時間:12:00~21:00
定休日:なし
RADIO DRAGON -NEXT-
菅野さんがパーソナリティーを務めるラジオ番組。
「“自分が本当にかっこいいと思った曲しかかけない”をポリシーにやってます(笑)」
RADIO DRAGON -NEXT-
TOKYO FMで毎週木曜、26:00~28:00で放送中。
●情報は、FRaU2017年3月号発売時点のものです。
Text:Megumi Yamazaki