夏といえば、海。そう考えて生きてきた30年(+α)。「あれ? 夏始まってない!?」となんとなく気づいていても、今年はなんだか国内で水着を着る気にもなれず、海辺でお酒も億劫だなぁと思ってしまったあなた。でもいままで、「夏の1日は、冬の1週間!」と信じて生きてきましたよね? 1年分のお祭り感もアクティブさもデトックスも、夏にあり!は変わりません。ならわたしたちは、どこでどんなふうに夏を過ごすせばいいんでしょうか。
その答えが、山。グリーンで溢れる空間とも言い換えられます。山は、スポーツであり、リゾートであり、デトックスや癒やしであり、仲間とワイワイする場所であり……、結論として「大人が夏を過ごす場所」なんです。
とある夏の日の、尾瀬
「夏がくれば 思い出す はるかな尾瀬 遠い空~♪」だれもが口ずさんだことあるであろう彼の地は、夏も涼やかでこの季節のハイクデビューにぴったり。どこまでもまっすぐに伸びた木道は、フラットで歩きやすいのも魅力。爽やかな夏風にニッコウキスゲの黄色の花が揺れ、心地よい緑の中、足を踏み出すときの心地よさは最高!
東京から日帰りで訪れても、1泊2日で山小屋やテントを利用してじっくり満喫しても、スケジュール次第でいろいろと楽しめる。
尾瀬ヶ原という湿原が尾瀬のクライマックス。標識が目に入ればもうすぐ!
かろやかな音を立てて流れるきれいな湧水は、真夏でも涼やか。
尾瀬にあるキャンプ場には夏の間中、カラフルなテントが連なる。
『夏の思い出』でも歌われる水芭蕉の花々は4月下旬~5月上旬が見頃。
自然がつくり出したユニークな表情の岩を探しながら歩くのも楽しい。
風がそよぐたびに尾瀬の湿原を流れる川面が美しく揺れる。
大小様々な沼には空や雲、四方を囲む山々などを映し込む。
尾瀬ヶ原の入り口・山ノ鼻に佇む「山の鼻小屋」はハイクの起点に。
ツキノワグマの生息地なので至るところに熊出没注意の看板が。
他のハイカーのためにも、設置された熊除けの鐘を通過時に鳴らすのが山のマナー。
鳩待峠から望む至仏山は盛夏に向かってますます青々と生い茂る。
ACCESS
東京駅から上越新幹線に乗り上毛高原駅下車、鳩待峠行きの関越交通バスで入山口へ。鳩待峠から山の鼻へ下り、尾瀬ヶ原を目指す。牛首、ヨッピ吊橋、竜宮小屋が尾瀬ヶ原のメインルート。来た道を引き返しても、長沢道分岐経由でも鳩待峠に戻れる。東京を早朝に出発すれば日帰りも可能、のんびり行くならば1泊2日がおすすめ。
●情報は、FRaU2016年8月号発売時点のものです。
Photo:Norio Kidera