バルコニーを付属スペースのように考えていた時代はもう終わり。今、バルコニーを部屋の延長のように楽しむ人が増えている。FRaUはこれを『インフィニティバルコニー』と命名! さぁ、お気に入りのグリーンやインテリアで飾って。
お話を伺ったのは……
スタイリスト
黒澤充さん
望月唯氏に師事し、2006年に独立。「BRUTUS」「&Premium」「GINZA」など数々のファッション誌や広告で活躍。ミュージシャンや俳優のスタイリング、またプロップを手がけることも。
その数80鉢以上。多肉植物が連なる
インフィニティバルコニー
室内に置かれたグリーンも観葉植物からエアプランツまで多彩。
スタイリストの黒澤充さんがこの部屋を選んだ理由は、日当たりがよく風通しのいいバルコニー、この一点だ。それは、8年前からハマっている多肉植物をよりよい環境で育てるため。最近のマンションは目隠しのために壁で覆っているので、あえてそうではない、囲い部分が柵になっている古い物件を探したのだとか。
「前の部屋もバルコニーが壁で覆われてたんですが、でもそうすると風がまわらずに植物が弱ってしまうんですよね。植物も生きてるから、手間をかければかけただけ育ってくれる。だから生き物としてちゃんと扱ってあげたくて」 前の家で使っていた板材を再利用し、鉢の下に敷いて床の段差を解消。鉢の下から出た水が板材にしみ込むので、そのまま置くより水はけもいいのだそう。またすべての鉢は土の表面にウッドチップをのせてあり、こうすることで見栄えが良くなるだけでなく、土が風で舞い散らないのだとか。
広いバルコニーを床の色が見えないほどに埋め尽くす多肉植物は現在約80鉢、ピーク時には120鉢もあったとか。「植物育てるためにここに住んでる」という言葉は決して大げさではなく、これ以外にもランやハーブ、さらに部屋の中にもいたるところに観葉植物が置かれており、それによって室内とバルコニーがきれいに繫がっている。黒澤家のバルコニーは、彼らに占領されて足を降ろすことさえ叶わないが、黒澤さんがこの空間を家の中心として捉え、楽しんでいることに変わりはない。
「水やりは週に一度だけど、状態をチェックするためにバルコニーは毎日欠かさずに見ていますよ。窓を開けて、こんな風に椅子持ってきて外の植物たちを眺めていると、そのまま何時間でもいられる。8年経っても全然飽きないですね」
FRaU10月号の取材先で出会った
バルコニーもみんなインフィニティ!
バルコニーにウッドパネルなどを敷くことで部屋との段差を解消し、リビングからバルコニーへ、床がそのまま続いているように見せるテクニックが流行中。今回取材したお宅でもみなさん実践されていました。
濱中邸のバルコニー
濱中邸のバルコニーは、室内の床の高さと合わせて板材を張り替え、インフィニティに。空間の広がりがより感じられる。
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高草木・舩木邸のバルコニー
大きな窓から明るい光が差し込むリビングとバルコニーをフラットに。子供たちは外内を意識せず、駆け回ったり本を読んだりと自由に過ごす。
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崇島邸のバルコニー
リビングと床の高さを揃え、室内と同じ世界観でアレンジしたバルコニー。「グリーンを置くことで、陽は入りつつ外からの目線を程よく遮ることもできます」
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甲斐邸のバルコニー
床はイケアのウッドパネルを活用。「前の家はバルコニーがなかったので、この家では緑でいっぱいにしたいなと。まだまだ増やしているところです」
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流行のシンプルリノベ「真っ白な壁が人気の理由とは?」
甲斐邸
家族構成:2人(夫、妻)
平米数・間取り:58㎡/2LDK
施工会社:TRUNK ARCHITECT OFFICE
築年数:24年(購入時)
●情報は、FRaU2017年10月号発売時点のものです。
Photo:Takehiro Goto(濱中邸、高草木・舩木邸、崇島邸), Hisashi Ogawa Text:Megumi Yamzaki