リノベした家に人が来た時に案外注目されるのがキッチンだろう。人が住む限りは避けられない暮らしの感触を、どこまで見せ、どこから隠すか。これを改めて考えることで、自分の本来ありたい姿、ほんとうに大切にしたいものまで見えてくるはずだ。
今回は、“見せるものはデザイン家電とお気に入りツール、見せないものはカラフルな子ども用品とストック” と決めている玻名城邸をご紹介。
玻名城邸
家族構成:夫、妻、子ども1人
設計・施工:株式会社MUJI HOUSE
無駄な空間一切なし
同規格が叶える
シンデレラフィットの心地よさ
キッチンで隠れる3段目から下に、見た目を統一しきれない調味料などを。後ろの壁面はコンクリートの素地そのままで、これはご主人の強い希望だったそう。
もともとは家を建てるつもりでいたという玻名城(はなしろ)さん。しかし希望と条件が嚙み合わずに断念、予算内で自分たちの好きなテイストを実現できるリノベーションを選択したそうだ。
設計は以前からショールームをよく見ており、またご主人が商品を愛用していたこともあり無印良品に依頼。最初に手持ちのアイテムを伝え、それらを活かす形で作ってもらった。そこでベースとなったのが、本棚として使っていたステンレス製のユニットシェルフだ。
キッチンによってシェルフ下段は完全に隠れる。同規格でより整頓された印象に。
ベランダの外は高い建物がなく昼間は陽の光がたっぷり差し込む。そのためこれほどステンレスを多用していても冷たい印象はない。
「このシェルフがあったので、キッチンも統一感が出るよう同じ規格のものに。なるべくオープンな感じにしたかったのでドアやパネルはあえてつけず、家電も見せる前提で、デザイン重視で選びました」
冷蔵庫も無印良品でシェルフと高さが同じ。サイズが分かっているため、梁もぴったりの高さに。このようなほかにない完成度こそ、ものと部屋、ソフトとハードを同じ会社で揃える最大の利点だろう。
見えるものはすべて
好きなテイストで統一
抑えた色・形・質感で高い完成度に
アイテムは無印良品のほか、北欧系のものが揃うネットショップ「スコープ」で買ったものがほとんど。あらかじめ買う店を決めておけば、テイストも自然に統一されてくる。
アイテムは無印良品のほか、北欧系のものが揃うネットショップ「スコープ」で買ったものがほとんど。あらかじめ買う店を決めておけば、テイストも自然に統一されてくる。
特にご主人はこだわりが強く「すぐに捨てそうなものは買わない、その代わり多少高くても気に入ったものを選ぶ」主義。炊飯器は学生時代に使っていたものをそのまま。ストウブの鍋はコンロの上に出しておける見た目のよさと、長く使える点から購入したそう。
特にご主人はこだわりが強く「すぐに捨てそうなものは買わない、その代わり多少高くても気に入ったものを選ぶ」主義。炊飯器は学生時代に使っていたものをそのまま。ストウブの鍋はコンロの上に出しておける見た目のよさと、長く使える点から購入したそう。
食器などの見せるものは色を2~3色に抑え、形も丸より直線に揃えることで全体に統一感を出している。
あまり家の中に置いておきたくないパッケージのものはいっそはがしてしまうそうだが、キッチン、特に子どものいる家庭ではそれでもどうにもならないものもある。そういったものはまとめて透けない収納ケースに入れ、シェルフ最下段で完全に隠蔽。無印良品のものならサイズも同じなので棚にもぴったり収まり、見た目もすっきり。
あまり家の中に置いておきたくないパッケージのものはいっそはがしてしまうそうだが、キッチン、特に子どものいる家庭ではそれでもどうにもならないものもある。そういったものはまとめて透けない収納ケースに入れ、シェルフ最下段で完全に隠蔽。無印良品のものならサイズも同じなので棚にもぴったり収まり、見た目もすっきり。
見せたくないものは隠れる下の段へ。ここまでオープンにするのは正直勇気がいるが、数を把握しやすく無駄に買いすぎない利点もあるとか。
「子ども用品のパッケージはどれもカラフルなので、いざという時にしまえるスペースは必要。でもこれもずっとあるわけではないものですし。あれこれ持たない方がむしろラクかも、というのは実感していますね」
壁も明るいグレーで統一。花や水草の自然の色が映える。
壁も明るいグレーで統一。花や水草の自然の色が映える。
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●情報は、FRaU2017年10月号発売時点のものです。
Photos:Mai Kise Text:Megumi Yamazaki