今年も新米の季節が到来。料理人が絶妙な火加減で、旬の食材と共に炊き上げる土鍋ご飯は、店ごとに個性を感じる逸品だ。炊き上がった土鍋ごはんの蓋を開ける瞬間は、誰もが見入って、立ち上る湯気と香りに思わず笑顔になってしまうはず。料理との相性を考慮した日本酒も豊富に揃う2軒へ、秋の味覚を満喫しに出かけてみてはいかが?
裏路地にひっそりと佇む隠れ家で
旬を詰め込んだ贅沢な〆ごはんを
京橋 酛(もと)
あきたこまちを出汁で炊き上げ、木の芽と山椒を飾った「松茸ときのこと銀杏の土鍋ごはん」(¥9000のコース)。
予約が取れない人気店「新橋 酛」が、風情漂う京橋の裏路地に移転し、6月で1周年を迎えた。 日本酒は80ml¥700~。
「日本酒を好きになる入り口的な存在になれたら」と語る店主・鈴木隆之さんがセレクトする日本酒は、若手の蔵元にスポットを当てた銘柄を主軸に約80種類。上野智紀さんが手掛ける素材の旨みを引き出したインパクトある料理にしっかりと寄り添う。
雲丹と石川芋のピューレを添えた「松茸と焼き茄子を秋刀魚で巻いた山椒焼き」(¥7000・¥9000のコース共通)。
新銀杏の餡をのせた「鴨の茶碗蒸し」(¥7000・¥9000のコース共通)。
内容は日々変わるので、訪れた日にどんな土鍋ごはんが供されるかも楽しみのひとつ。コースのほか、早い時間と21時以降はアラカルトもオーダー可能なので、多彩なシーンで重宝しそうだ。 カウンターのほか個室も完備。
京橋 酛(もと)
東京都中央区京橋2-6-13 イーストビル1F
☎03-3567-7888
営業時間:16:00~23:30(LO22:30)、土15:00~22:00(LO21:00)
定休日:日・祝は不定休
※価格は税込
土鍋ごはん付きでコース3800円!
日常使いしたくなる気軽さも◎
美の(よしの)
香ばしく焼いた鮭の身をほぐしてたっぷりと使用した「秋鮭の土鍋ごはん」。
汐留駅や新橋駅からアクセスのいい静かな場所に佇む和食店。コース一本のスタイルだから実現するというコストパフォーマンス抜群の3800円コースは、毎月1日にメニューが更新される。 アンチョビをアクセントに、カニ味噌を餡にしてかけた「カニの茶碗蒸し」。 くるくると巻いて焼き上げた「サンマのロースト~松茸と栗のあんかけ~」。
前菜から始まる全7品で、〆には必ず土鍋ごはんが付く大満足の内容だ。鮎、とうもろこし、栗とカシューナッツなど季節に応じた食材をふんだんに取り入れており、10月は「秋鮭の土鍋ごはん」、11月は「ズワイガニの土鍋ごはん」を予定している。 日本酒は半合¥450~、1合¥700~。
日本酒のほか、梅酒は10種類以上のラインアップを誇り、女性客を中心に人気が高い。 近所にある離れでも同様のメニューがいただける。
美の(よしの)
東京都港区新橋5-9-5 NTビル1F
☎03-5733-1853
営業時間:17:00~22:00(20:30最終入店、LO21:30)
定休日:なし
※価格は税抜
●情報は、FRaU2017年11月号発売時点のものです。
Photo:sono(bean) Composition:Yui Togawa