名だたる女優や有名ミュージシャンたちに「黒田さんじゃなきゃダメ」と言わしめる、日本を代表するヘア&メイクアップアーティスト、黒田啓蔵。彼が考える、いい女論。

お話を伺ったのは……
黒田啓蔵さん
10年間のサロンワークの後、ヘア&メイクアップアーティストとして活動を開始。以来、幅広い年代の女優、ミュージシャンに愛され続けている。著書に『黒田啓蔵の劇的!王道メイク』(ワニブックス)や『よみがえりメイク』(主婦と生活社)がある。

この10年でメイクの
役割が大きく変わった

「今がいちばんメイクしていて楽しい」と語る黒田さん。その理由を尋ねると、「ひと昔前は、メイクでその人を編集するという考え方が主流だったんですよね。その人自身の “個” が少し置いていかれている雰囲気があって。それが私たちメイクアップアーティストにも求められていた。でも今は “いかに素を生かすか” ということがメイクの中心に来るようになりましたよね。時代が “その人本来のパーツに磨きをかけてあげる” という方向に変わってきた。だから、する側としても無理がないし、気持ちいいんですよ」

確かに、この10年で女性にとってのメイクの役割はずいぶんと変化した。その証拠に、10年前、5年前の女性誌を見ると、いまでは考えられないほど、こってりしたメイクが多い。でも、自分のメイクはどうだろう? ちゃんと“時代が求めるメイク”を捉えながら、美しく年を重ねていっているだろうか? 

「女性にとってメイクを変えるというのはとても勇気がいることですよね。でも年齢を重ねていく上で、自分のメイクのテンションと付き合えなくなる瞬間って絶対に来るんですよ。『これをしていて、果たして私はキレイに見えているのか?』と自分で疑問に思う瞬間が。そのときこそがメイクを見直すタイミング。そう感じたら一度素に戻ってみて、“今の自分自身が本当に輝いてみえるようにするにはどうしたらいいか?” と冷静に、客観的に考えてみる必要があります。やっぱり自分の年齢とズレている状態っていうのは、いきいきとしていないし、美しく見えないですからね」