フラウトラベラーたちが、気の向くままに足向くままに。今回は、太田由香梨さんがサハラ砂漠をレポート。
今回のフラウトラベラーは……
大田由香梨さん
ライフスタイリスト。カテゴリーに囚われず、衣食住すべてにおいて、流行に左右されない付加価値をスタイリング。
HP:http://yukari-ota.com/
Instagram:@otayukari
砂と空のシンプルな世界
サハラ砂漠は “地球” を
感じられるダイナミックな場所
サハラ砂漠といえばラクダでの散歩! 目の前に広がるのは真っ青な空と砂漠の茶色の2色のみという幻想的な世界。
スタイリストという職業柄、頻繁にあちこちを飛び回っていますが、今年旅した国のなかでもとくに印象的だったのがサハラ砂漠。ドバイ、モロッコのカサブランカを経由してメルズーガ空港で降り、さらに車で走ること二時間。友達に誘われての突然のトリップは、たとえるなら、まるで火星に来たかのような想像を超えた異次元の世界で驚きの連続でした。 夕方の涼しい時間はラクダに乗って散歩に。幻想的でまさにこれぞアラビアンナイト。
約10日間の旅は大袈裟ではなく、毎日に幸せを感じる旅。太陽が昇り、沈む。砂と空しかないシンプルな世界で、大きな月や満天の星、風や太陽などの “地球” を感じながら過ごした時間のおかげで、カラダが浄化され、旅の終わりには頭も心もすべてがクリーンに。 泊まったのは砂漠の端にあり、砂丘が目の前に開けるホテル『Aubergedu sud』。すべてが石造りでまるでお城のような雰囲気。 今回滞在したオーベルジュには、プールもありゆったりとした時間を満喫。ちなみに旅にはどんなときでも必ず愛用している香水を持参。一人旅のときは夜不安になることもあるので、いつもの匂いを感じられると安心できます。
今回の旅は、砂漠の端にあるオーベルジュの滞在でスタート。そこでは、太陽が昇るとともに目覚め、朝や夜の涼しい時間はラクダに乗って散歩をし、40℃を超える暑さの昼間はプールで水浴びしてゆったりと過ごすという、言葉通りなにもしない贅沢な時間を満喫しました。 プールから眺める砂丘や日没はまさにここでしか味わえない絶景!
このオーベルジュは目の前が砂丘なので、プールから望む夕日や景色もまさに絶景! 絨毯やランプなどモロッコらしいインテリアがちりばめられたお部屋もすごくステキでまるで砂漠にいることを忘れてしまうぐらい。 滞在中の服はベルベル人と呼ばれる砂漠の民が着用しているターバンと民族衣装のジェラバで。私はベージュのジェラバに黒のターバンをセレクト。涼しくラクチンでとても過ごしやすかったです。日本ではルームウェアとして愛用中。
水が湧く場所、オアシスを探しにバギーに乗って砂漠のドライブ。一つ一つの砂丘がまるで東京のビルのように高く、映像でみているのとは桁違いのスケール。
砂漠のど真中に突如として現れた小さな井戸。昼の時間帯は、気温が40℃以上になるので、生命を維持するための水の有り難さを改めて感じました。
ベルベル人の民族衣装であるジェラバを着て、ラクダに揺られながらの散歩では、当たり前ですが、目の前も振り返っても砂漠のみ。一方、オアシスを探すバギーでのドライブでは、砂漠とはまったく印象の違う真っ黒なブラックサンドを走り、目の前には蜃気楼も! 見たことのない景色の連続に、日々感動でしたね。 いつもはアクティブに動き回るけど、今回はゆったりと一ヵ所で過ごすことに。滞在はオーベルジュだけではなく、砂漠の真ん中でキャンプするグランピングも体験。グランピングでは現地の人と一緒に食事を満喫。いろいろな話をしていると、どこにいてもどんな環境でも悩むこと、考えることは同じなんだなと気づかされます。
中盤は砂漠の真ん中でキャンプするグランピングを体験。星空の下での食事を楽しみ、友達や現地の人と語り合う。壮大な自然のなかで過ごす時間は、いつもとは違う価値観をもたらしてくれるのでちょっと遠いけど足を運ぶ意義はあると思います。 ベルベル人の友人に頼んで、お家に招待していただきました。棒と布だけで作られた家は、360 度見渡す限りの大地と、外に出れば満天の星空を体験できる贅沢な空間。 今回の旅をサポートしてくれたベルベル人のお二人。砂漠での時間を安全で快適に過ごせたのはこの方々のおかげです。
今回はイレギュラーな大人数での旅でしたが、普段は仕事で海外の街や、プライベートではさくっと一人旅で秘境を訪れることが多いです。街や建築を観ること、大地に行って自然を感じること、両方体験することで私はバランスがとれる。そして、旅ならではの現地の方とのコミュニケーションを楽しみに、次はどこへ行こうかな。
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●情報は、FRaU2017年12月号発売時点のものです。
Photo:Yukari Ota Compositon:Nirai Ikeshiro