写真、建築、漫画など、鳥取はアート&カルチャー好きにはたまらない聖地。「鳥取は初めて!」という、イラストレーターとしても活躍中のモデル・田中シェンさんが、1泊2日のアートな鳥取旅へ出かけた――。今回は、美しい建築で有名な東光園と境港市文化ホールをお届けします。

山陰は名建築の宝庫。

日本の伝統的な木造建築がもつ柱・梁・屋根の造形を、鉄筋コンクリート造に置き換えた特異な外観。4階部分に “抜け” がある「吊り下げ構造」が特徴。設計は菊竹清訓、1964年竣工。

夕刻すぎ、田中シェンさんたっての希望だった宿へと向かう。海辺の温泉郷として知られる米子市の皆生温泉にある「東光園」だ。温泉街でもひときわ目を引くこの老舗旅館は、まさに怪物、見れば見るほど不思議な造り。
 

建築家の意匠が凝らされた開放感あるロビー。添柱をつなげ十文字の柱を導入することで耐久性を維持している。

日本の近代建築界における最重要人物のひとり、菊竹清訓(1928〜2011)が設計した建築物は、6階の上に掛けられた巨大な梁を1階のロビーにある柱が支えている。4階部分は空中庭園になっていて抜けがあるため、5階と6階の床が吊るされているという、驚異の構造なのである。
 

シェンさんの背景に写るのは、美しい幾何学模様を成す階段室の外観。

4階部分には空中庭園と呼ばれるピロティが設けられ、柱を残した外部空間がサンドイッチのように3階と5階の間に挟み込まれている。

「ロビーは天井が高く開放感があって意外ですね。迷子になりそうなほど複雑な造りで面白い!」と、シェンさんの館内探検はつづいた。

東光園
鳥取県米子市皆生温泉3-17-7
☎0859-34-1111
料金:¥9800~(1名、1泊2食付き)
http://www.toukouen.com/

境漁港の周辺には海鮮の名店が多く、賑わいを見せる。

翌朝、米子市から鳥取県の北西に位置する境港市へ。“建築熱” 冷めやらぬ彼女が目指すのは、「境港シンフォニーガーデン」だ(正式名称は「境港市文化ホール」)。

地下1階、地上2階建て。内部には客席数400席を有する音楽ホールがあるが、設計者の高松伸は、ホールを極限まで切り詰め、残された空間を水や植物と戯れることのできる庭園として設えた。

クラシックコンサート会場であるこの施設は「植田正治写真美術館」と同じく高松伸が設計。1994年竣工という外観からは少々年季を感じるが、「どこを切り取っても絵になりますね」とシェンさんが言うように、壁が幾重にも輪を描くようにして佇み、美しく、静かな存在感を放っていた。

境港市文化ホール(境港シンフォニーガーデン)
鳥取県境港市中野町2050
☎0859-44-1000
※開館時期や時間は要問い合わせ

昭和43年まで醤油屋の醤油を貯蔵していた蔵を改装したカフェ。「マルマス」の店名は当時の屋号から。

居心地の良い空間が広がる店内。靴を脱いでくつろげる2階席もおすすめ。マスターが1杯ずつ丁寧にドリップしてくれるコーヒーでホッとひと息。

Café マルマス
鳥取県境港市上道町234
☎090-4144-8426
営業時間:11:00~20:00(LO19:30)
定休日:火・水・木
https://ameblo.jp/cafe-marumasu

PROFILE

田中シェン Shen Tanaka
モデル。鹿児島県生まれ。中学~大学をアメリカで過ごし、日本語、英語、中国語に堪能。ファッションモデルのほか、イラストレーターやデザイナーとしても活躍。女優として海外でも活動の幅を広げている。Instagram:@shen_tanaka

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●情報は、FRaU2018年12月号発売時点のものです。 
Traveler&illustration:Shen Tanaka Photo:Ayumi Yamamoto Text&edit:Shiho Nakamura