〔photo〕iStock

レアル、リラ…高金利通貨で「損する人」と「儲かる人」の致命的な差

錬金術は確かに存在するのだが…

損する人たち

私は日々個人投資家の方からのご相談をいただくのですが、ご質問として多いのはブラジルレアル、トルコリラ、南アフリカランドをはじめとしたいわゆる高金利通貨の評価についてです。

高金利だからというセールストークに乗せられて購入してみたものの、思ったような成果を上げられないばかりか、損をしてしまったという人たちは少なくありません。

〔photo〕iStock

新興国債券の利回りは一見すると高いのですが、その裏側には様々なリスクが隠れています。一方で、為替の背後に隠れているような基本的な「からくり」が理解できれば、金融市場を観察するのがより楽しくなる上、金融市場に存在する様々なリスクに対する理解も深まると思います。

今回は、新興国債券に投資した場合の様々なリスクについて考えながら、どのような状況であれば利益を出せるのかまでを解説していきたいと思います。

 

落とし穴

まず高金利通貨の落とし穴にはハマる人たちの共通点としては、「名目金利」と「実質金利」の違いを理解していないということが挙げられるでしょう。

金利には名目金利と実質金利があり、その通貨の本当の価値を知るには実質金利で見る必要があります。実質金利は「名目金利(預金金利)ーインフレ率(物価上昇率)」で計算するもの。インフレ率5%の国で預金金利(名目金利)が1%ならば実質金利▲4%になります。

新興国の債券利回りは一見すると高いことが多いのですが、その裏側には、このように高いインフレ率が隠れているケースが少なくありません。異なる国の金利比較ではこの「実質金利」の考え方が重要で、実質金利が十分高くなければ、投資魅力度はそれほど高くないのです。

では次に、インフレ率と為替レートの関係についても考えてみましょう。

まずは結論を先にお伝えすると、インフレ率の高い国の通貨は安くなる傾向があります。例えば、日本とアメリカを比べた場合、アメリカのインフレ率が高いことが多いですが、その場合にはインフレ率の高い通貨、つまり米ドルは安くなることが多いのです(円高ドル安)。

これは通貨の為替レートを考えるときにとても重要な考え方になるので、以下、具体的なケースで見ていきましょう。