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ブラジルレアル、トルコリラ…高金利通貨なのに大損するのはなぜか?

いい話にはウラがある

レアル、リラ、ランド…高金利通貨の2つのリスク

私どもは日々個人投資家の方からのご相談をいただくのですが、ご質問として多いのはブラジルレアル、トルコリラ、南アフリカランドをはじめとしたいわゆる高金利通貨の評価についてです。

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新興国債券の利回りは一見すると高いですが、その裏側には様々なリスクが隠れています。

当たり前のことですが、理由もなく利回りが高い金融商品は存在せず、高い利回りには必ず理由(リスク)があります。

新興国債券には様々なリスクがありますが、その主たるものとしてインフレと為替のリスクがあります。為替の背後に隠れているような基本的な「からくり」が理解できれば、金融市場を観察するのがより楽しくなるうえ、金融市場に存在する様々なリスクに対する理解も深まると思います。

今回は、新興国債券に投資した場合の様々なリスクについて考えながら、どのような状況であれば利益を出せるのかを解説します。

 

セールストークに騙される人たち

日本、欧州、アメリカ、どこの国債に投資しても金利が低く、個人投資家の間では金利が高い新興国の債券が人気を集めています。

代表的な通貨としてはブラジルレアル トルコリラ 南アフリカランドなどになります。これらの通貨では、格付けが高い債券で残存3年程度のものでも、(2019年2月末現在)年利7%前後など高い金利水準となっています(トルコリラは20%程度)。

いい話には裏があるといわれますが、こうした新興国債券には落とし穴は存在しないのでしょうか。本稿では個人投資家が勘違いしがちな高金利債券の実態を解説してみたいと思います。

① よくあるおすすめセールストーク

新興国債券を保有しているお客様に、なぜこの債券を購入したかを確認すると以下のような回答が多く聞かれます。

・金利が高い
・(オリンピックなど)国際的なイベントがある
・人口や国民の所得が増加しており、高い経済成長率が見込める
・格付けが(AAAなど)高い債券である
・「株は変動が大きくリスクがあるけど、債券は低リスクだとすすめられた」
・「これだけ金利が高いと、利金を外貨で貯めていたら満期時の為替の損益分岐点は、現在の半分まで通貨安になっていても損しない」と言われたから…

などの理由です。

おそらくこうした商品説明を受け、「確かにこれは良い」と思って債券を購入する投資家が多いようです。

しかし実際にはリーマンショックのあった2008年前後を境に、多くの新興国通貨は長期間にわたり大幅に下落しており、利金を合わせても当初思ったような利益を上げられていない投資家が多いのが現実です。