「原発危機」を生んだ総理大臣の無責任体質
首相公選制を本格検討すべきときがきた!

すべて無責任な発言   【PHOTO】Bloomberg via Getty Images

 日本の統治システムが、今、国際風評被害に晒されようとしている。これ以上の政治の劣化現象を食い止めなければならない。

「実はメルトダウンだった」。震災直後に予想されていたメルトダウンが2ヶ月以上たって白状された。あれほど「大丈夫。メルトダウンは起こしていない」と言っていた菅総理の責任はどこへ行ったのか。

 3.11の夜、原子力災害対策特別措置法に基づき、「原子力緊急事態宣言」が出ている。当然、今も解除されていない。

 菅総理は、同法に基づく原子力対策本部長の地位にある。この本部長の権限は、「緊急事態応急対策」を的確かつ迅速に実施するため、特に必要があると認めるときは、原子力事業者(東電)を含めて、関係行政機関に指示などができる。

「緊急事態応急対策」とは、原子力緊急事態により国民の生命、身体又は財産に生ずる被害の拡大の防止を図るため実施すべき応急の対策である。
すなわち、被害拡大の防止に重要な役割を果たす適切な情報開示に向けた対策の指示を出す権限もあるのだ。

 これにもかかわらず、2ヶ月間も、メルトダウンの警告らしき情報を開示せずに来たことは、菅総理が国民を愚弄しているというにふさわしい。こういう情報開示の遅れ、、、というより隠ぺいが、日本全体の国際風評被害につながるという危機感がなさ過ぎる。

 海水注入を巡る経緯も、斑目発言の訂正やホームページ公表情報の言い換えなど、首相官邸や統合本部の言うことがクルクル変わる。
総理は海水注入に関し、「直接報告はあがっていなかった」と答えているそうだ。

 3月12日の朝、総理は福島原発を視察したのではなかったのか。メルトダウン直後の一分一秒を争う現場の戦力をわざわざ総理視察に振り向けさせた意味は何だったのか。

 そこで意見交換したことがその後の意思疎通に役立った旨、豪語していたが、都合が悪くなると、真逆のことを平然と述べる。一体どういう神経をしているのか。これも原子力災害対策本部長である総理の責任に帰するものだ。

原発事故の真相究明は偽証罪の制裁のある国会で

 これだけ情報の隠ぺい・証拠改ざんと疑われても仕方がないことが頻発する中で、政府は事故調査委員会設置を決定した。このトップに「失敗学」研究で知られる畑村洋太郎氏を起用するのだから、これも唖然。

「失敗学」とは、起きた失敗について責任追及に終始せず、原因の多角的な究明を目指すというもののようだ。はじめから責任追及を逃れようという魂胆がありありとしかいいようがない。

 事故の真相究明と再発防止のためには、みんなの党もかねて主張しているように偽証罪の制裁つきの委員会を国会で作って対応すべきである。もともと自民党の塩崎恭久氏の議員提案だが、自民党にやる気がないなら、みんなの党がそっくり提案しようと思う。

 菅内閣は、こういう追及から逃れるため、国会を早く閉幕したくて仕方ないようだ。

 そして、6月下旬に出てくる復興構想会議報告、社会保障改革、財政中期フレームの「増税3点セット」にフタをしようという企みだ。

 未だ避難をされている方は10万人を超える。国会で決めていかねばならないことは山ほどある。

 まず、第2次補正。一次補正では二重ローン問題や土地・家屋の買上げなどといった大胆な措置には踏みこんでいないのだから、早期に30兆円規模の第2次補正をつくるべきだ。

 次に、東電の賠償枠組みだ。政府は、関係閣僚会合において、必要ならば何度でも支援するとし、債務超過にさせないと明記した枠組みを決定。完全な加害者東電救済スキームである。これも大きな争点だ。

 しかし、総理は「送発電分離が議論の対象」とか、官房長官は「金融機関は債権放棄を」とか、よくも関係閣僚で合意を結んできておきながら、正義を振りかざすかのように、ヌケヌケいうなと思う。

 なぜ、最初からみんなの党が言うような、100%減資でケジメをつけさせ、解体型事業再編を睨んだ賠償の枠組みを決定しないのか。本来、関係閣僚会合で、役人と銀行と東電の三角合意は認めず、差し戻しをすべきだった。

 債務超過にさせないとすれば、会社は株主の所有権に属し、政府は株主総会を抑えられない以上、東電の送発電分離は極めて困難だろう。

 9電力会社に賠償負担金を払わせるのだから、当然、地域独占・9電力体制を温存。株主責任が問われないのだから、預金者にしわ寄せがいく債権放棄に銀行がスンナリと応じるわけがない。

 結局、人気取りのため金融機関や電力会社に対して偽装ファイティングポーズを示しているに過ぎないのである。

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