吉田羊「尽きることのない“人間の物語”。そこにドラマの魅力が」

未解決凶悪犯罪、通称 “コールドケース” を扱う捜査チームの活躍を描き、世界的人気ドラマとなった「コールドケース」の日本版「連続ドラマW コールドケース 〜真実の扉〜」は、WOWOWがアメリカ国外としては世界初となる制作と放送を手がけた。

2016年に放送された本作は、“世界に見せたい日本のドラマ” を選出・表彰する「東京ドラマアウォード2017」で特別賞を受賞。神奈川県警捜査一課のチームを率いる石川百合を吉田羊さん、年下の相棒・高木信次郎に永山絢斗さん、チームのムードメーカー立川大輔を滝藤賢一さん、ベテラン刑事・金子徹に光石研さん、メンバーから頼られるボス・本木秀俊に三浦友和さんと、豪華なレギュラーキャストも話題になった。そのシーズン2が、2018年 10月13日(土)から、毎週土曜日22時~全10話で放送される。

私の役作りは、
衣装とメイクで8割決まります

©WOWOW/Warner Bros. Intl TV Production

――アメリカの「コールドケース」はシーズン7まで製作され、全シーズンの平均視聴者数が1000万人を超える大ヒットを記録しています。日本でも、この秋にシーズン2が放送されるわけですが、この物語に、世界中の人を惹きつける普遍性があるとしたら、どのあたりだと思いますか?

吉田:捜査一課チームの活躍だけを描くのではなく、事件に関わった人たちの人間ドラマを描いている点だと思います。我々が解決していかなければいけないのは未解決の凶悪犯罪なのですが、その過程で、事件の被害者、加害者、その家族と、たくさんの方々の人生を掬いとっていくことになる。だから、物語が尽きないんですね。

登場する人間の数だけ、胸に迫るエピソードがある。事件を解決することって、人がなぜ殺されたのか、その理由を解き明かしていくことで、死に様を描くことに等しい。でも、それは生き様を描くのとイコールでもあるんです。

百合の「真実に蓋をしてはいけない」という台詞が特に私は好きなんですが、「誰の人生もないがしろにされてはいけないんだ」「広くあまねく人の人生を救いとっていくぞ!」という強い思いで事件に臨んでいる、その姿に私自身が胸を打たれます。

ドラマ全体のテーマとしても、現場で、このドラマに携わるスタッフ、出演者全員が、そういった “人” に対するまっすぐな視線を持っている。だからこそ、視聴者の方に感情移入していただけるドラマになっているのではないかな、と思います。

――なるほど。“人間ドラマを描いている” と、あらためて伺ってみると、毎回のゲストが、第一話は橋爪功さん、第二話は宮藤官九郎さんと、非常に豪華なことにも納得です。では、アメリカ版と比べて、日本版にしかないオリジナリティ、独自性のようなものは、どんなところにあると感じていますか?

吉田:私は、リアルタイムではアメリカ版のドラマは観ていなくて、このお話をいただいてからDVDで観たのですが、 その時は「アメリカのドラマらしく、いい意味でドライだな」と思いました。事件を起こしてしまった心情とか動機とか、そういうところにはあまり踏み込まない。日本だったらもう少し “寂しさ” とか “切なさ” とか “悲しみ” といった感情にフォーカスするところを、敢えて淡々と描いている感じが、それはそれでクールでかっこいいなと。

でも、せっかく日本版が制作されるのなら、日本的な人情とか、慈しみの心みたいなものがプラスできたら、とは思いました。そうしたら、いただいた台本を読んだ時点で、そういう人情的な要素が加味されていて、「ひゃー、これはこれですごく面白いぞ!」ってなりました。
 

――今回は続編になりますが、2年前、最初に “百合” という役を演じるにあたって、何か準備をされたことはありますか?

吉田:新しい役に出会うたびに、いろんなことを想像はするんですが、私の役作りって、だいたい衣裳とメイクで8割決まっちゃうんです(笑)。敢えて自分で作り込まなくても、職業、ロケーション、服装が決まれば、その空気の中に自然に入っていける。

百合は、普段自分が着ないスタイルのファッション……ノーカラーのジャケットにパンツを合わせるスタイルなので、今回のような続編では、それを身につけるだけである程度のスイッチは入るようになりました。同じスタッフ、同じロケーションでの撮影ということもありますし、撮影中は「この感じ!」っていう安心感がありました。

――百合の、ヘアやメイクの特徴は何かありますか?

吉田:派手な色は付けないことですね。彼女は、“我が我が” と目立っていく人ではないので。一応主役ということになってはいますが、ドラマの作り的にも、百合は “脇役” として、ゲストの方の人生に寄り添っていくようなスタンス。だから、メイクもファッションも、なるべく目立たない感じがいいんです。

 
――今年は、『ラブ×ドック』『恋は雨上がりのように』『コーヒーが冷めないうちに』と、ご出演映画が続々公開され、この後も、10月19日は『ハナレイ・ベイ』、11月は『母さんがどんなに僕を嫌いでも』の公開が控えています。いまのお話の流れでいうと、『ラブ×ドック』では、とてもカラフルでおしゃれなファッションに身を包んでいましたし、しかも映画自体がコメディだったので、羊さんのコケティッシュな魅力がよく出ていたと思うんですが、コメディとシリアスとでは、強いて言えばどちらが得意ですか?

吉田:正直、シリアスな方が私は好き……というか、得意な方なのかもしれないです。普段から、撮影の現場ではシリアスに考える傾向があるようで、以前ある現場で監督から、「気難しい顔をし過ぎるな」と注意されたことがあります。

私は無意識だったんですが、勝手に、眉間にシワが寄っていたんですね。その監督には、「眉間に寄せる縦ジワを、解放することから始めなさい」と言われました(笑)。ですから、シリアスな役な方が、普段の私と地続きのままいけるんじゃないかと。

コメディは眉間だけじゃなく、いろんなものを解放しないとできないですから。人を笑わせるのはすごく苦手です(苦笑)。

 
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PROFILE

吉田羊 You Yoshida
福岡県久留米市出身。1997年に舞台デビューし、その後舞台を中心に活動。ドラマデビューは2007年。NHK大河ドラマや連続テレビ小説への出演を経て、2014年のドラマ「HERO」で人気がブレーク。映画の公開待機作に『ハナレイ・ベイ』(2018年 10月19日)、『母さんがどんなに僕を嫌いでも』(11月16日)がある。10月9日スタートのTBS火曜ドラマ「中学聖日記」にも出演中。

INFORMATION

ドラマ「連続ドラマW コールドケース2 〜真実の扉〜」

©WOWOW/Warner Bros. Intl TV Production

未解決凶悪犯罪事件、通称 “コールドケース” を扱う捜査チーム(吉田羊、永山絢斗、滝藤賢一、光石研、三浦友和)の活躍を描く。第一話「学生闘争」のゲストは橋爪功ほか。

2018年 10月13日(土)、WOWOWプライムにて放送スタート。毎週土曜日、22時~。第一話無料放送。http://www.wowow.co.jp/dramaw/coldcase2/

 
Photo:Noriko Yamamoto Styling:Chikako Aoki Hair&Make-up:Eriko Ishida Inteview&Text:Yoko Kikuchi

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