週2回でダイエットを叶える!“世界一優しい” ランニング・メソッド

日本ではGWから真夏にかけては紫外線が強いうえに高温多湿が続くため、外を走るのにはあまり向いていません。紫外線量も落ち着き、気温も湿度も夏仕様を脱して走りやすくなるのは、ようやく9月に入ってから。そこから春まで、まさに今がランニングの好機!

そこで今回はまったくの初心者でも、背伸びをしないで続けられる世界一優しい3ヵ月プログラムをフィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんに考えてもらいました。3ヵ月間でランニングをマスターすれば、来年には美ボディランナーの仲間入りをしているに違いない!

トレーニングは週に2〜3回

 

「ポイントはいきなり走り出さずに、ウォーキングから入って運動習慣を着実に身につけること」(中野さん)

そこから1~2週間単位で、段階的に走る時間と距離を延ばしていく。

プログラム前半の6週目まで、基準となるのは時間。初めから距離を目安にすると、早く終えたくなって知らない間にオーバーペースに陥りやすく、挫折を招きやすいからだ。7週目からは一足飛びに距離を延ばさないで、1週間に1㎞ずつじわじわと走る距離を上乗せしていく。その積み重ねで1セッション10㎞走れるようになった頃には、立派なランナーの仲間入り。体型も間違いなく美しく絞れているはず。

1ヵ月め
歩く⇒走るのリピートで
体を動かす習慣を作る

  • 1週目:WALK 30分
  • 2週目:WALK 30分
  • 3週目:WALK&RUN 30分
  • 4週目:WALK&RUN 30分

前半の2週間の狙いは、ウエアに着替えてシューズを履き、外に出て体を動かす習慣を定着させること。あえて走らず、スピードを問わない低負荷のウォーキングを30分間行う。ウォーキングが新たな日課になってきたら、後半の2週間は同じ30分間でウォーキングとランニングを交互に行う。ウォークから始めてランに移り、息が上がり始めて辛く感じたら、ウォークにスイッチする。こうして歩く⇒走る⇒歩く⇒走る……の繰り返しで30分間動き続けてみよう。

 
2ヵ月め
前半は時間を目安にする。
後半は距離が物差しに

  • 1週目:RUN 30分
  • 2週目:RUN 30分
  • 3週目:RUN 5㎞
  • 4週目:RUN 6㎞

1ヵ月目後半の3~4週目に歩く⇒走るを交互に繰り返したことで、やがて走力が底上げされて走れる時間が長くなる。そこでステップ2の前半は、なるべく歩かず30分間走ることを目標に。初心者なら想定時速は8㎞。30分で4㎞ほど走る計算だ。後半2週間はそこから1㎞ずつ走る距離を延ばす。距離を目安にすると消費カロリーがわかってやる気が高まる。ランの消費カロリーの概算=体重(kg)×走行距離(㎞)。50㎏の人が6㎞走ると300kcal消費するのだ。

 
3ヵ月め
毎週1㎞ずつ距離を延長。
距離が延びたら途中で歩いても

  • 1週目:RUN 7㎞
  • 2週目:RUN 8㎞
  • 3週目:RUN 9㎞
  • 4週目:RUN 10㎞

2ヵ月続けてきたら走力もついている。そこで最終ステップでは1週間ごとに走行距離を1㎞ずつ延長する。ここまで距離が長くなってくると、途中で足を止めたくなる瞬間もあるだろう。そこで無理をするとランニングに対する苦手意識が出てくる恐れがある。足を止めたくなったら迷わず歩こう。歩いているうちに息が整ってラクになり、自然とまた走りたくなる。トータルの移動距離が同じなら、途中で歩いても消費されるカロリーも体脂肪も変わらないのだ。

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“痩せラン” の素朴な疑問に答えます

 

Q1.20分走らないと体脂肪は燃えないと聞きました。

A1.それはウソ。5分間でも体脂肪は燃えています。

かつて “20分運動しないと体脂肪は燃えない説” があったが、その説に根拠はない。

「運動時の筋肉のエネルギー源になっているのは、糖質と体脂肪。両者は必ず同時に使われており、安静時でも体脂肪は少しずつ燃焼しています。5分でも10分でも、走りさえすれば体脂肪は燃えてくれるのです」

もちろん走る時間が長くなればなるほど、それだけ多くのカロリーが消費できて体脂肪も減りやすい。20分説はおそらく「それくらい長く続けた方がダイエットになるよ」という親切心から出たもの。なのに「20分も時間が取れないから走らない!」と言い訳に使うのはNG。

 
Q2.どのくらいのペース(速さ)で走るのがいい?

A2.息が切れず、笑顔になれるニコニコペースで。

「速く走るほど痩せる」というのは思い込み。痩せたいなら息が切れないゆっくりペースで走るのが正解。息が切れるほど速く走ると、運動エネルギーとして利用される体脂肪の割合が落ちる。加えて息が切れるような運動は長続きしない。かといってゆっくりすぎるとカロリー消費量が少ないから、体脂肪も減りにくい。体脂肪の利用率が高く、消費カロリーもそれなりに稼げるのは、息は弾んでいても笑顔で会話できるニコニコペース。

「より正確なペースの目安となるのは心拍数(脈拍)。1分間に120〜140拍の間に保つように走るのがベスト」

 
Q3.週何回くらい走ればいいですか?

A3.最低週2回を目標にしてみましょう。

ランニングの場合、走る頻度が増えれば増えるほど当然、多くの体脂肪がカットできて体型は絞れてくる。けれど、そのために生活パターンに大きな変更を強いられると、ストレスが募って結局長続きしない。かといって週1回程度のランニングでは燃やせるカロリーにも体脂肪にも限界があるので、効果は限定的に。

「生活パターンを大幅に変えない範囲で痩せランを成功に導きたいのなら、最低週2回、できれば週3回を目標にしましょう」

習慣化という観点からも週2〜3回のランが妥当。週イチ程度では習慣化しにくいので最低週2回は走りたい。

 
Q4.朝と夜ならどちらの方が効果的?

A4.どちらでも続けやすい時間帯が正解です。

「何事も継続しないとトレーニング効果は出ません。自らの生活パターンにフィットする続けやすい時間帯に走ればいいのです」

早起きが苦手な夜型が朝ランしようとしても続かないし、早起きが得意な朝型が夜ランに挑んでも三日坊主で終わるのがオチ。それを踏まえて言うなら、朝ランにも夜ランにもメリットがある。朝走ると代謝が高い状態がずっと続くので、その後の活動で体脂肪が優先的に燃えやすい。一方、夕方の16時前後は体を活動モードに整える交感神経の活性が高くなるので、他の時間帯よりもラクにペースが上げられて体脂肪が燃えやすい。

 
Q5.何か食べてから走った方がいいのですか?

A5.食べなくてもOK。水だけは飲みましょう。

ゆったりペースのランなら、無理して事前に食べなくても。空腹で走った方が体脂肪は燃えやすいこともわかっている。食べて走ると横腹が痛くなる人はとくに胃が空っぽな方がいい。

「空腹で走ると元気が出ないタイプの人は、消化吸収に優れたゼリー食品やバナナなどを食べましょう」

ただし、脱水を起こさないように、事前の水分補給は必須。とくに朝は寝ている間にコップ1杯ほどの水分を失って脱水気味だから、水分補給を忘れないこと。水分不足だと血液量が減り、少ない血液を巡らせるために心拍数が上がりやすく、同じペースでも辛くなりやすい。

 
Q6.走りすぎると脚が太くなりませんか?

A6.太くなりません。むしろ引き締まります。

ランニングで筋肉を刺激すると、ダイエット時の筋肉減少をブロックできるし、筋肉が増えて代謝も上がる。といっても、激しい筋トレをしたときのように筋肉がみるみる太くなることはない。とくに女性は男性よりも筋肉は太くなりにくいので、脚が太くなる心配は無用。もしも走って脚が太くなるなら、マラソン選手は全員脚が太くなっているはずだ。

「走ると筋肉の内部と周辺に霜降り状に溜まった体脂肪が燃えるため、筋肉の線維一本一本が少し太くなったとしても、全体としてはほっそり締まって見えるのです」

PROFILE

中野ジェームズ修一さん
フィジカルトレーナー。卓球の福原愛選手や陸上の神野大地選手など、多くのアスリートから絶大な支持を得る。青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当し、箱根駅伝4連覇に貢献。東京神楽坂にある会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」の最高技術責任者を務める。

 
●情報は、FRaU2018年10月号発売時点のものです。
Text:Kenji Inoue Illustration:Kotaro Takayanagi

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