「沖縄に行くなら、太陽が眩しくきらめく夏!」そう思っている人は多いはず。もちろん春から秋にかけての沖縄は魅力たっぷりですが、実は冬にこそ行くべき理由があったんです。

今回訪れたのは、沖縄県の石垣島からフェリーでわずか10分。古き良き沖縄の原風景が残る集落と “竹富ブルー” と称されるコバルトブルーの美しい海、のんびりとした島時間が魅力の離島「竹富島」。

圧倒的な非日常感に包まれるラグジュアリーリゾート「星のや竹富島」で、島ならではの食文化を学びつつ、冬の竹富島だから味わえる新しい美食「島テロワール」を堪能しました。

【目次】
1.「テロワール」とは?
2.星のや竹富島で「島テロワール」を堪能
3.メイン料理やデザートを紹介

冬の竹富島だからこそ
表現できるテロワール

「テロワール(Terroir)」とは、“土地” を意味するフランス語の “Terre” から派生し、フランスで生まれた概念のこと。ワインやコーヒー、お茶などの農作物を育てる際に影響する、土壌や地形といった土地、天候、歴史、人、文化などの特徴をいう言葉です。これらのさまざまな要素が総合的に組み合わさってテロワールが存在し、農作物の品質が決まり、個性を与えると言われています。

周囲9㎞ほどの小さな竹富島には、竹富島にしかないテロワールがあります。竹富島の年間平均気温は24度。夏でも30~31度程度と1年間の気温の変化が小さく、年間を通して温暖な気候で育つ島の食材は、本州とは異なるサイクルで旬を迎えます。
 

その1つが車海老です。車海老の育成には、竹富島の気温がもたらす海水温が最適と言われていて、甘みが強いものが育ちます。
 

本州では春から夏が旬とされるハーブも、島では冬に旬を迎える食材。医者のいなかった時代に、島民の健康を支えてきた島特有のハーブは “命草(ぬちぐさ)” と呼ばれ、今なお島の人々に愛されています。
 

珊瑚が隆起してできた竹富島は、元々農作物が育ちにくい環境ですが、貴重な土を使って農業も営まれ、かつては芋が島民の主食でした。そんな竹富島最大の祭事が、五穀豊穣を願って秋に行われる「種子取祭(タナドゥイ)」。秋に植え冬に収穫する芋が一番美味しいと言われています。
 

星のや竹富島では、島のおじいから手ほどきを受けながら、施設の畑で芋を栽培し、島独自の畑文化を継承しています。
 

竹富島で採れる特有の芋は、白、橙、紫の3種類あり、かつては主食として島民の生活を支えていました。芋は “ンヌイ(握り飯)” にし、ツルはおひたしにして食べられていたそう。
 

沖縄の原風景や独特の文化が、今なお色濃く残る背景には、「みんなで協力することこそ優れていて賢い」という意味の「うつぐみの精神」や、1986年に制定された島を守るための5つの基本理念をはじめとする島の伝統文化を大切にする精神が謳われた「竹富島憲章」が。竹富島の島民の中には、島の伝統と自然を守る強い信念が代々根付いています。

そんな島の特徴的なテロワールで育った食材が旬を迎える冬限定の、星のや竹富島の料理コンセプトが「島テロワール」です。
※島テロワールのディナーコースは、2018年 12月10日~2019 年3月3日の期間限定。

NEXT≫「島テロワールのディナーがスタート!」

夕暮れの島風を感じることから始まる
島テロワールのディナー

竹富島で冬に旬を迎える素材を活かした全10皿のディナーコース「島テロワール」の始まりは、島の天候や土地を体感するための「島風(しまかじ)アペロ」。ダイニング前にある「風のテラス」で、夕暮れの島風を感じながらアミューズブーシュと食前酒をいただきます。
※今回紹介するメニューは一例です。メニューは食材の仕入れ状況により変更になる場合があります。
 

珊瑚が隆起してできた竹富島は平らな島で、高い建物も少ないため、海から吹き抜ける心地よい風を感じられます。風の音や虫の声、鮮やかな夕日、豊かな自然が、日々の喧騒を忘れさせてくれます。
 

左奥から時計回りに、海老とパルメザンチーズのチュイル、クワン草とスーチカのテットドフロマージュ、アーサーのちんすこう、ジーマミー豆腐。この日の食前酒は、軽やかな飲み口のボジョレー・ヌーヴォーでした。
 

「島テロワール」の魅力をさらに堪能するためには、テロワールを追求した自然派ワインとのマリアージュメニュー(別料金)がおすすめ。それぞれの料理に合わせてソムリエがセレクトした個性的なワインが、島の食材の持ち味と、テロワールの奥深さを感じさせてくれます。
 

シャンパンとともにいただく前菜は、“1株食べれば1日長く生きる” という謂れもある “長命草(ボタンボウフウ)” を使った「命草と島豆腐のクープ」、里芋の仲間の “田芋” を使った郷土料理をベースにした「ドゥル天トリュフの香り」、車海老の甘味は、衣を付けて揚げたときに最大限に引き出されるという、車海老養殖場の方の言葉から着想を得た「アーサーをまとった車海老のフリット」の3皿。
 

アーサーをまとった車海老のフリット

半生程度に火を通すことでより強くなった車海老の甘味を、衣の中に閉じ込めたフリット。車海老本来の甘味や食感をダイレクトに味わうことができる一品です。アーサー(あおさ)の磯の香りも◎。
 

スープは「車海老のビスクと人参のクリーム」。車海老の濃厚な旨味と、島人参のクリームの強い甘さのバランスが絶妙なスープには、ロゼワインを合わせます。

NEXT≫「ついにメイン料理が!」

月桃の葉で包んだ車海老をシャコガイの中に入れ、熱したサンゴで蒸し焼きにした魚料理「車海老のサンゴ焼き命草ソース」は白ワインと。長命草やディル、シークヮーサー、ピーナッツオイル、ナンプラーで作られたソースをつけていただきます。
 

紅芋に次ぐ沖縄県の特産品「あかね芋」に、濃厚なフォアグラをソースのように合わせたサラダ「あかね芋のローストとフォアグラのサラダ仕立て」。ローストして甘みや香りを凝縮させたあかね芋に、フォアグラを合わせることでさらに味わいを引き立たせ、命草のサラダが食感のアクセントに。

栄養価の高さから “パーフェクトフード” とも呼ばれるビーポーレン(蜜蜂花粉)が彩りを添えます。こちらも白ワインとマリアージュ。
 

赤ワインといただく肉料理は「車海老と豚のショーソン」。半月型のパイの中には、豚のミンチと車海老が。豚肉に合わせた赤ワインソースと、車海老に合わせたバターソース、2種類のソースが添えられているのもポイントです。
 

レモンの酸味を加えることで、さっぱりと味わえるアヴァンデセール「あかね芋のタルト」と、目の前で仕上げてもらえるデセール「マンゴーのババ 泡盛の香り」はデザートワインと。
 

小さな焼き菓子とマンゴー、甘さを控えたホイップクリームを盛り付けた「マンゴーのババ 泡盛の香り」には、沖縄・南大東島のラム酒や石垣島の泡盛「玉の露」をお好みでかけて。
 

食後のミニャルディーズには、琉球伝統菓子の「ちんびん」などをアレンジしたものも。

冬にこそ行くべき!
多くの食材が旬を迎える沖縄・竹富島

ゴーヤチャンプルーやソーキそば……。沖縄と聞いてパッと思い浮かぶ沖縄ならではのグルメもいいけれど、旅慣れた人にこそ味わってほしいのは竹富島のテロワールを体感できる「島テロワール」。食材の魅力はもちろん、土地のチカラ、歴史や文化、島で暮らす人々の思いにまで触れられる新しい美食でした。食べれば、もっと竹富島のことが知りたくなる、そんな島テロワールを堪能してみてください!

星のや竹富島
沖縄県八重山郡竹富町竹富
☎0570-073-066(星のや総合予約)
https://hoshinoya.com/
 
【「島テロワール」ディナーコース】
期間:2018年 12月10日~2019 年3月3日
場所:集いの館ダイニング(17:30~20:30)
料金:¥12000(税・サービス料別)
※ワインのマリアージュメニューあり(別料金)
※要予約。星のや竹富島公式ホームページにて、夕食付の宿泊プランを選択。

 
今回紹介した「島テロワール」のメニューは一例です。メニューは食材の仕入れ状況により変更になる場合があります。
Photo:Mikiro Tamai Composition:Aiko Hayashi

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