2018年は3本の映画出演などのほか、映画『ジュラシック・ワールド 炎の王国』でクリス・プラットが演じる主人公オーウェンの日本語吹替をするなど、華々しい活躍を続けている玉木宏さん。今回のドラマで挑む役どころは“見当たり捜査員”という、3000人もの指名手配犯の顔を覚えて、街に繰り出して逮捕するという刑事だ。

最近では映画やドラマなどの活動以外でも、島根県の観光プロモーションなどを行う “ご縁フルエンサー” に就任し、自身のルーツのひとつでもある島根県の魅力を発信している玉木さん。ドラマの話からオフの過ごし方、旅の魅力などたっぷりと話を聞いた。

 
▼前ページはこちら!

年相応の良さでいいと
思えてから、楽になった

――今回の作品で “人の顔” を常に意識されたと思いますが、これから年齢を重ねていく中で、自分がなりたい顔、理想的な顔などはありますか?

玉木:木と同じで、人間の顔も年輪のように過ごした経年の部分が出てくると思う。女性はそういうふうに感じないかもしれませんが、僕は男なので、そのままでいいと思っています。自然な姿で出られたら、それが味になるのではないか、という想像はしています。なので、キレイに見せようとは全然考えていないです。

それに、若いころとは求められるものが違ってきています。僕は仕事に臨むスタンスとして、きっと相手はこういうものを望んでいるのだろう、というものの妥当なところを探しながらやるタイプ。

俳優という仕事を続けてきて、年相応の良さを見せられればいいと思えた時にすごく楽になったんです。今回の役のような、元気だけじゃない役が増えてきて、その年、その年齢でできる役にすごくやりがいを感じています。求められるものが変わってくるから面白いです。10年後、20年後にはまた違うのだと思います。
 

ジャケット ¥314000、タートルニット ¥114000/ともにゼニア カスタマーサービス(Ermenegildo Zegna) ☎03-5114-5300

――私生活でも人の表情や顔が気になってしまうようなことは、ありませんでしたか?

玉木:まったく無かったですね(笑)。撮影が終わったら、すぐ切り替えてしまうんです。わりといつもそうなんです。極力、集中するときは集中して、考えないときは考えない。それで、リセットするようにしています。

  
――かなりきっちり切り替わるんですね。オンとオフをうまく切り替えるコツはありますか?

玉木:いつも、予定をギッチギチに入れてしまうんです。だから、仕事が終わったらすぐ次のことをやっているので、自然と切り替わるんです。すぐ替わっちゃいます(笑)。

 
――作品と作品の間などで長期のオフができたとき、ご旅行なんかもされますか?

玉木:よくします! 自然がある場所が好きですね。天気予報を見てちょうど晴れている場所に行く、みたいなこともします(笑)。車の中にキャンプ用品は入れたままなので、思い付きで行って現地でキャンピングしたりします。

 
――アウトドアがお好きなんですね! 玉木さんにとって、旅とはどういうものでしょうか。

玉木:海外旅行に関しては、見たことのないものを見たい、という思いが強いです。写真が趣味なので、カメラを持って行きたくなるような、そういう場所をチョイスしがちです。日本とは規模が違うので、スゲーなこれ!というものがたくさんあります。

映像などで見てスゴイな、と思っていたものも、実際に見るとこんなもんか、というパターンもありますが(笑)。それはそれで、自分で見てみないとわからないもの。それを人に話したりもできますから。僕の旅は基本的にひとり旅なので、旅が終わってから人に話すのも楽しいんです。
 

――確かに、イメージと違ったとしても、旅の小話として人に話をしたくなりますね(笑)。玉木さんがおすすめする旅のスタイルはあったりしますか?

玉木:僕が必ずやるのは、その街を自分の足で歩いてみること。自分自身で歩き、バスに乗ったり、電車に乗ったりしていると、自然と地理が頭に入ってくる。やはり、歩いているからこそ、見えてくるものもあると思うんです。ただ車に乗っているのとは違う景色が。

もちろん、安全上の問題などもあることはありますが、やはり歩いてみるのが好きですね。だから、海外に行くと8時間以上は散歩です(笑)。

NEXT≫「玉木宏の旅の必需品は?」

経験できないことを
旅が経験させてくれる

――旅の必需品はなんですか?

玉木:ひとり旅に関しては、カメラとそれに関係するデータ関係のもの。それくらいですかね。ほかは特に何もないかも。何か足りなければ、現地で買えばいいや、と思ってしまいます。バックパックで行くので、洗えるものは自分で洗いますし。最低限の荷物にします。

 
――撮った写真は、旅の思い出として見返したりしますか?

玉木:帰ってきて整理したら、あまり見返すことはないかも。ハードディスクに全部入れて、そのままです(笑)。

 
――玉木さんにとって、旅とはどういうものですか?

玉木:いいことも悪いことも含めて、経験できないことを経験できるものですね。外に出ないと経験は出来ないし、新しいものにも出合わない。虚像じゃなくて実像を見て何かを感じたいんです。きれいなものをみれば感化されるし、新しいものに出合えればその繋がりができて良かったと思うこともある。そういう発見があるものですね。
 

――先日、島根県の観光PRなどをなされる “ご縁フルエンサー” に就任されましたが、旅先としての島根の魅力はどんなところでしょうか。

玉木:僕は、祖父が島根県の隠岐・西ノ島に住んでいて、幼いころから毎年島根には行っていたのですが、隠岐以外のエリアにはあまり訪れたことがなかったんです。島根に行く=じいちゃん家に行く、という感覚だったので。

でも何年か前から出雲大社など、隠岐エリア以外のいろいろな場所に行くようになったんです。いわゆる “メイン” とされるところは、ようやくひと通り行くことができました。島根は東西に横長の県で広いので、“出雲” とひと口に言っても奥出雲のほうに行くとまた違った風情があるんです。

 
――その土地ごとに、おいしい食べ物や見どころがありそうですね。

玉木:日本海のおいしい魚も豊富にありますし、奥出雲にはおいしいお米もあるんです。仁多米というんですが、すごく旨いんです! 自然もたくさん残っていて、オオサンショウウオもいるんです。日本海なので荒々しさもあるけれど、だからこその絶景があって、すごくいい場所だと思います。自分の車で運転して行くことが多いんですが、海岸線を走ると気持ちいいですね。

 
――いろいろな場所を巡ってみて、特に興味深かったものはありますか?

玉木:先日、初めて石見神楽を観ることができたのですが、迫力があって。伝統行事なので、海外の方が観たら「スゴイ!」と思うものだろうなと思っていたのですが、日本人である僕も初めて観て迫力を感じたので、すごくいい文化だと思いました。

石見地方で石見神楽を見て育った子供が、自然にやろうと思って、ずっと継承されてきたものなのだそうです。建物のようにそれそのものに歴史があるのではなく、人が伝えてきた伝統ですね。クオリティも高いものでした。

神楽に使う面などの道具も、島根で作られた和紙を使っているそうです。紙でできていますが、重くて頑丈に作られているんです。

 
――小さいころから行っていたという隠岐の魅力はどんなところでしょうか?

玉木:僕にとっては、日本でありながら日本じゃないような場所と思っているんです。もちろん、隠岐の中でも島によって違うと思うのですが、僕の祖父がいる西ノ島は、本当にたくさんの絶景があって、海側から見る島の景色は本当に凄いんです。

牛や馬が放牧されていて、なかなか本土じゃできないことだと思うんです。ちょっとした旅情感はたっぷり味わえると思います。先日も撮影で島根には行ったのですが、1泊だけだったので、年末は家族で一緒に島根で過ごせるといいな、と考えています。

PROFILE

玉木 宏 Hiroshi Tamaki
1980年生まれ。愛知県出身。1998年に俳優デビュー。映画『ウォーターボーイズ』(01年)で注目を集め、数々のドラマやCMに出演。WOWOWドラマW「恋愛小説」(04年)にてドラマ初主演。以降「のだめカンタービレ」(06年)、「鹿男あをによし」(08年)、「あなたには帰る家がある」(18年)、『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』(16年)、『悪と仮面のルール』(18年)など、話題作に続々と出演する。2019年2月3日から放送のNHK BSプレミアム「盤上のアルファ〜約束の将棋〜」でも主演を務める。公開待機作には映画『空母いぶき』がある。

INFORMATION

WOWOW「連続ドラマW 盗まれた顔 ~ミアタリ捜査班~」

警視庁捜査共助課の白戸崇正(玉木宏)は、顔だけを頼りに指名手配犯を捕まえる“見当たり捜査員”。部下の安藤香苗(内田理央)、谷遼平(町田啓太)とともに雑踏の中からホシを探し出す日々を送っていた。だがある日、群衆の中に「見つかるはずのない顔」を見つけてしまう。4年前、謎の死を遂げた見当たり捜査の先輩刑事・須波通(渋川清彦)の顔だった。その後、須波の死に関して調べ始めた白戸を、公安や中国マフィアが狙い始める。

2019年 1月5日(土)、WOWOWプライムにて放送スタート。
毎週土曜22時(全5話・第1話無料放送)
https://www.wowow.co.jp/dramaw/kao/

 
Photo:Yuji Nomura Styling:Kentaro Ueno Hair&Make-up:Yukiya Watabe Interview&Text:Yoshiyuki Miyazaki Composition:Aiko Hayashi

▼こちらの記事もチェック!