同じものを食べても、太る人と太らない人の違いは一体何……? 「腸内環境が違えば、同じ食習慣でも体重の増減が違う」と話すのは、自身のクリニックでホリスティックな栄養指導を行う、山崎まいこ先生。腸内環境を整えることがダイエットに効果的な理由や、腸内環境改善のために見直すべき習慣などを伺いました。
  

教えてくれたのは……
山崎まいこ先生
滋賀医科大学卒業後、大阪市立総合医療センターで臨床研修を行い、大阪市立大学医学部附属病院形成外科、大阪市内の皮膚科常勤医師、大阪市内美容皮膚科院長を経て、Maiko HolisticSkin Clinicを開院。米国NutritionTherapy Institute日本校卒業

カロリーにこだわる
ダイエットは危険

「人間は食べたものでできている(You are what you eat.)」という言葉を聞いたことのある方も多いでしょう。私はそれに「消化して吸収したもの(digest and absorb)でできている」を付け加えたい。

私のクリニックに来られる方は健康に関する意識が高い方が多いのですが、それでもカロリー制限や一つの食材に頼ってダイエットしようとする方がいらっしゃいます。もちろん摂取する総エネルギー量が多ければ体重を減らしにくいのは確かですが、腸内環境が違えば、同じ食習慣でも体重の増減が違います。消化と吸収が違う、ということですね。

ただカロリーを減らすことだけに固執すると一時的に体重は減りますが、その際に血管には負荷がかかります。細胞からサイトカインというタンパク質が出て炎症が起き、血管壁がダメージを受けやすくなります。リバウンドを繰り返すうちに血管はますますダメージを受け、将来高血圧や心臓病などの元になる血管障害を起こす可能性が高くなります。遠い将来でなくても、毛細血管もダメージを受けるので、冷えにつながることもあります。

どうしても頭の片隅でカロリーのことを考えてしまうのは、メディアからの情報や食品のカロリー表示などによるミスリードなのかもしれませんね。しかし実際は、カロリーより腸内環境を整えることが健康的なダイエットの前提条件なのです。
 

【ホリスティック栄養学】
消化・吸収のメカニズムと個人的な体質の違い(生物学的個人差)から生じる栄養素獲得の差異に着目した栄養学。栄養素とカロリー計算だけではなく栄養素が身体に入り、どのように機能するのか酵素の働きに注目するとともに、ストレスなどの精神的個人差なども含め、「総合的」に一人の人間をみていく。山崎先生のクリニックでは酵素をベースとしたアメリカのホリスティック栄養学を用いた栄養指導を行う。丁寧なカウンセリングと検査を用いて、体内環境とお肌の状態を調べ、症状に合わせてアドバイスする。