ライブ入場者数も山の木の数も簡単に算出! 「引き算思考」のスゴ技

「覚えて帰ろう〈雑学数学〉」第4回!
横山 明日希 プロフィール

この話は、歴史上の人物として有名な豊臣秀吉が実際に使った発想といわれております。

秀吉が織田信長の家臣として木下藤吉郎を名乗っていたころ、信長から「山の木の本数を数えよ」という任務を言い渡されたことがあったそうです。

それまで任務を言い渡されてきた他の家臣は、木の本数を数えているうちにどの木を数えたか混乱してしまい、最後まで数え切ることができませんでした。数え切るためには何かしら工夫が必要とされていたのです。

forestさあ、どうやって数える? Photo by Bruno Passos from Burst

そこで秀吉のとった方法が、発想の転換であり、先ほど紹介した「引き算思考」なのです。

秀吉は木を数えるために、大量の紐を用意しました。その紐を、山に生えている木1本につき1本ずつくくりつけていく方法をとったのです。

すべての木にくくりつけ終えたあとも、はじめに用意した紐はまだたくさん余りました。これで、木を数える準備は終了したのです。

秀吉は、木の本数を数えるのではなく、残った紐の本数を数えました。その残った紐の本数と、はじめに大量に用意した紐の本数を比べて、その差を山にある木の本数と算出したのです!

たとえばはじめに用意した紐の本数を2万本、木にくくりつけたあと残った紐の本数を8000本としたら、20000-8000=12000で、山に生えていた木の本数は1万2000本ということになります。

ちなみに秀吉は部下に紐をくくってこさせるように指示を出しただけなので、秀吉本人は山に行くことなく、求めたい答えにたどり着くことができたそうです。彼の発想の柔軟性を象徴している話ともいえるでしょう。

実はこの発想法、使いどころは意外とありまして、たとえばイベントへの来場者数を数えるときに、人数カウントをする機械を使って数えるのではなく、来場者全員にチラシを配る(もし受け取ってくれなかったらそのつど捨てていく)という方法をとることで、人数を数えることが可能となります。

こう考えると、この引き算思考の発想法は日常で知らないうちに使っている方法なのかな、と感じる方も少なくはないでしょう。

今回は発想法に関連する数学の話を2つ紹介しました。「発想を変える」ことと「数学」との間に密接な関係があることが理解できたかと思います。

ぜひ、日常のなかでも実践してみてください。

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