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コンビニが「24時間営業」にこだわる意外な理由

え、そんなことだったの!?

コンビニ大手のセブン-イレブン・ジャパンが24時間営業の短縮実験を行うことになった。同社は基本的に24時間営業の堅持を望んでいると思われるが、実証実験の結果次第では方針が見直される可能性も出てきた。セブンをはじめとするコンビニ各社が24時間営業にこだわってきた理由や今後の展開について考えてみたい。

フランチャイズと本部が対立

セブンは3月中旬から全国の直営店10店舗で営業時間を16時間に短縮した店舗運営の実験を開始する(その後、直営店以外も対象に加える方針を決定)。実験は数ヶ月間行われ、売上高や客単価の動向などを分析する。

同社はオフィスや駅構内など一部の店舗を除いて24時間営業を原則としている。近年、人手不足が社会問題となっているが、それでも同社は24時間営業を堅持する方針を貫いてきた。そんな同社が実証実験に踏み切るきっかけとなったのが、大阪府内で営業する加盟店オーナーとの対立である。

東大阪市で営業する加盟店オーナーが人手不足を理由に営業時間を2月から19時間に短縮したが、セブンは契約違反であるとしてオーナーと対立。この問題を受けて全国のフランチャイズ(FC)オーナーで組織する「コンビニ加盟店ユニオン」はセブンに対して団体交渉の申し入れを行ったが、セブン側は拒否する姿勢を示している。

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24時間営業をやめた加盟店に対しては、1700万円の違約金支払いと契約解除を通告するなどセブン側は厳しい姿勢を示しているとされるが、そうした中での短縮実験開始というニュースに業界では様々な噂が飛び交っている。

セブンがいよいよ24時間営業の見直しに動く可能性について指摘する声もある一方、今回の実験は単なるガス抜きのポーズに過ぎないという声や、逆に24時間営業の妥当性を示すための施策であるとの見方もある。

本当のところは分からないが、これまで頑なに24時間営業にこだわってきた同社が、実証実験に踏み切ったのは大きな変化といってよい。競合のファミリーマートも同様の実験を開始しているほか、ローソンは一部店舗の営業時間短縮を実施している。フランチャイズ本部とオーナーの力関係が変化してきたのは間違いないだろう。

ではセブンをはじめコンビニ各社はなぜ24時間営業にこだわってきたのだろうか。意外に思うかもしれないが、それは昼間の時間帯の売上高を伸ばしたいからである。

 

24時間営業すると昼間の売上高が増える不思議

24時間営業を行った場合、昼間だけの営業と比較すると営業時間が長くなるので、その分だけ売上高が増えるのは当然である。だがコンビニ各社は深夜時間帯の売上高が欲しくて24時間営業を実施しているわけではない。

実際に深夜のコンビニに行ってみると分かると思うが、午前1時を過ぎると来店する客は目に見えて減少する。深夜営業から得られる売上高や利益などは全体からすればごくわずかなレベルといってよく、繁華街にある一部店舗を除いて深夜営業自体にはほとんどメリットがない。