「自己分析」から始めてはいけない! 「理系の就活」に必須の3箇条

ESが劇的によくなる「10の掟」も
植島 幹九郎 プロフィール

1.書く目的を意識する

まず意識してほしいのは、ESを「書く目的」です。

ESを書く目的は、「サークルやアルバイト経験の自慢」や「漠然とした自己紹介」をすることではありません。それらを書くことにより、「自分がどれほど志望企業に適しているか(適性および能力面において)」を伝えることが重要なのです。

常にこのことを意識して、ESに向かってください。目的を理解しているかどうかで、自己紹介の文章を書く際に取捨選択すべき情報が大きく変わります。

2.企業を知る

「自分の個性や魅力といっても、どんな情報を書いていいのかわからない」という人もいるでしょう。そういう場合はまず、社会や企業がどんな人材を求めているかを知ってください。

よく調べれば、求める人材(素養)のパターンは、業界や職種によって一定の傾向があるということに気づくはずです。最終的には、志望企業が求める人材像を十分理解し、最適と考えられるあなたの特徴をPRできればベストです。

3.設問に答える

「当たり前のことを……」と思われる人もいるかもしれませんが、「設問にちゃんと答えられていない」人は少なくありません

たとえば、「あなたが情熱を持って打ち込んだことを教えてください」といった設問に対する回答が、単なるアルバイトやサークルの紹介になっていて、どこにも“情熱”を感じられる記述が見受けられない……というのはよくある例です。

この場合、「コミュニケーションのキャッチボールがうまくできそうか」といったところにまで疑問符がついてしまいますので、注意する必要があります。

4.設問の真意を考える

すべての設問には必ず意図があります。たとえ突拍子のない設問だったとしても、「適応力や思考の柔軟性を見る」といった目的があるはずです。

「研究テーマを教えてください」という設問一つにしても、採用担当者が知りたい情報を想像すると、「詳細な研究内容」「研究に対する姿勢」「専門的な情報をわかりやすく説明できるか」などが挙げられるでしょう。

設問の一言一句を見逃さず、企業・採用担当者の意図をしっかり見極めてください。望まれない回答は、いかに名文であっても評価にはつながりません。

5.エピソードに頼らない

サークルやアルバイト、海外留学などの体験談を漠然と書いたとしても、飛びぬけて優秀なエピソードでない限り、読み手にあなたの魅力を伝えるのは難しいでしょう。逆にエピソードがありきたりでも、そこから書き手の魅力が十分伝わってくるESもあります。

1.で伝えたように、ESを書く目的は、「自分がどれほど志望企業に適しているか」を伝えることであり、エピソードはそのための素材に過ぎません。思い入れにとらわれず、目的を達するために最適な素材(エピソード)を選んでください。

6.誤字脱字、日本語表現の誤りは厳禁

「たった一つの誤字が合否を分ける」というのは、決して言い過ぎではありません。

どれほど内容が良いESでも、たった一つの誤字で、あなたの「仕事における正確性」や「志望企業への熱意」まで疑われかねません。書き終えたら、ひと息ついてもう一度しっかり見直しをしましょう。

7.嘘、大げさ、紛らわしいはNG

当然ですが嘘を書いてはいけません。嘘とはいかないまでも、自分とあまりにもかけ離れた自己PRも好ましいものではありません。そういった嘘は、多くの場合、面接で見抜かれますし、万が一入社できたとしても、会社に入ってからも偽りの自分を演じ続けるのは至難の業です。

また、その嘘が採用を左右する重要な要素だった場合、判明すれば採用取り消しの理由になります。

8.第三者の視点で読み返す

文章を書く際、客観的視点は大切です。ESの場合も読み手の立場になって、自分の書いた文章を読み返してみてください。

「本当にこの書き方で、自分の伝えたいことが伝わっているのか」
「自分では当たり前だと思っているが、書くべき情報を省略していないか」

自分の固定観念をできる限り取り払ってチェックしてください。もちろん、第三者に読んでもらうことも効果的なので、可能な限りそういった機会をつくってみるとよいでしょう。

9.場数を踏む

いくら情報収集や理論武装しても、実践で完璧なESをいきなり仕上げられる人は、まずいません。何枚も書き、見直しをすることで、ESはより洗練されていきます。

「まだ自己分析や企業研究が十分じゃないから……」などと言わず、とにかく一度書いてみることをお勧めします。自分に何が足りないのか理解したほうが、ゴールは近くなるはずです。

10.自分の将来を真剣に考える

会社選びはいわば生き方の選択。「どういったキャリアを築きたいのか」「何を成し遂げたいのか」──生き方が定まっていなければ、会社選びの根拠は心もとないものとなります

将来像が明確であればあるほど、志望動機にも厚みが出てくるはずです。「どの会社で働きたいか」を考える前に、「どんな将来を描きたいか」を考えてみてください。

この記事は、講談社ビーシーより刊行された『「自分を活かす」進路を選ぶ! 最新理系就職ナビ』(植島幹九郎著)の中から一部を抜粋・再編集したものです。