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「自己分析」から始めてはいけない! 「理系の就活」に必須の3箇条

ESが劇的によくなる「10の掟」も
大学生・大学院生の求人倍率が8年連続で上昇するなど、好調に見える新卒採用市場。最近は「学生の売り手市場」といわれたリーマンショック以前の採用水準まで戻している企業が増えています。

「じゃあ、就活は楽勝だな」と思ったあなた! 残念ですが、そうでもありません。


通年採用や第二新卒採用をしている企業が増えていることを見ればわかるように、優秀な人材が採用できるまで、企業は妥協することなく採用活動を続ける傾向が強くなっています。したがって、売り手市場になりつつあるとはいえ、企業が求める人材の質を下げてまで採用していないことを、まずは理解してください。

それゆえ、悔いのない就活をするためには、志望動機や自己PRをしっかりと考え、自分自身の強みや適性を企業に伝えることが重要となります。そのやり方をこれから説明しましょう。

ノウハウその1 従来の就活「ここが古い」

本題に入る前に、まずは従来の就活のやり方から見ていきたいと思います。

従来の就活で最初に取り組むのは自己分析です。多くの就活生が、まずは就活本を買ってきて、自分の強みや弱み、そして自分に向いていそうなものを分析します。一通り自己分析が終わると、今度はセミナーに参加し、業界研究や企業研究をすることになります。そしてセミナーが終わると選考が始まり、エントリーシート(以下、ES)で志望動機や自己PRを記入し、通過すると面接に進む……というのが一般的な流れです。

この流れは、受験と比較するとわかりやすいかもしれません。自己分析が『基礎力養成』、業界研究・企業研究は『演習問題』、ESは『過去問』、そして面接を『入試』と考えてください(図1)。

図1

受験を経験した皆さんなら理解できると思いますが、受験において過去問は非常に重要です。過去問を解く時間を確保しないと、志望校には合格できないといっても過言ではないでしょう。ですから、いかに早い段階で過去問、すなわちESの作成(志望動機と自己PR)に入り、企業ごとの傾向と対策を練ることができるかが合否の分かれ目になります。

面接に進むためには、ES対策は避けては通れません。自己分析から始める従来のやり方では、ESに必要な志望動機と自己PRを作成する時間を十分確保できないため、効率が悪いと言わざるを得ません。

従来のやり方の一番の問題点は「自己分析が終わらないと、行きたい業界や企業がわからない」「自己分析が終わってないから、自分に向いている仕事がわからない」といった考えに陥りやすいということ。そうなると、いつまでたっても次の行動に移れなくなってしまいます。

では、いったいどのように就活を進めていけばよいのでしょうか。

それは、業界研究や企業研究から始めること。これは受験でいうと、「演習問題にいきなり取り組むこと」に相当します。

このように書くと不安に思われる人もいると思いますが、決して自己分析をやらないわけではありません。自己分析の時間をあえてとる必要はないということです。なぜなら、業界研究や企業研究など、志望動機や自己PRをつくるすべての過程が「自己分析」ともいえるからです(図2)。

図2

業界研究や企業研究で得られる情報は自分の興味や能力、価値観といった、自身の就活軸を知るための判断材料になります。

たとえば、金融業界はお金という形のない商品を扱うためお客様との信頼関係の構築が必須。なかでも銀行はさまざまな業界と取引があるので、「人間性で勝負したい」「多様な産業の発展に携わりたい」という志向の方に向いているといえます。反対に、ものづくりが好きな人や、一つのことに打ち込みたいという人には向いていないかもしれません。

つまり、業界研究や企業研究をすることで、同時に自分の価値観を見つめ直すことができ、自己分析にもつながるのです。

ノウハウその2 人事の心をつかむ「動機」「PR」

志望動機は、業界、業種、カテゴリー、企業、職種という5つのステップから構成されるフローチャートに細分化できます。

たとえば、トヨタ自動車で設計職を志望している場合、「業界」は製造、「業種」は自動車、「カテゴリー」は総合、「企業」はトヨタ自動車、「職種」は設計になります。そのため、企業を選ぶということは、企業よりも上流のステップ、すなわち、業界や業種、カテゴリーも同時に選んでいることになるのです。

またステップごとにキーワードを選択した理由もあるはずなので、業界から職種へと順番に説明できれば、説得力のある志望動機を完成させることができます。

ただし、キーワードを選ぶということは、業界や企業についての知識がないとできません。また、自分自身の価値観など選択の基準も必要です。