K-POP三大事務所の時価総額がavexやアミューズを超えた理由

株式市場でのK-POPの評価は?
飯田 一史 プロフィール

株式市場の評価は「過熱」か?

2018年のJYPの時価総額は、業界トップのSMと同規模か少し上回るくらいで推移してきた(2018年11月12日調べではSMの時価総額は約1兆700億ウォン)。なぜそこまでなのか?

JYPは投資効率の良い会社だと投資家に思われているので買われている。投資効率を測る指標の代表的なものがROEだ。ROEは、持っている株式からどれくらいリターンを出しているかの指標であり、「当期純利益÷自己資本(純資産=株式)」で計算できる。

分子からいくと、純利益とは売上からもろもろの経費を引いたものである。

したがって売上の実額&伸び率が良いか、および原価や販管費といったコストが抑えられているかで決まる。3社の5年平均の過去実績を見てみよう。売上高成長率はSMが6.4%、YG26.7%、JYP43.2%。粗利率(原価÷売上)はSM31.4%、YG32%、JYP36%。販管費率はSM20.6%、YG19.8%、JYP25.8%。

ただし粗利率はSMやYGは下がり基調でそれぞれ直近では28.5%、27.4%%なのに対してJYPは安定しており直近38.1%。販管費率はJYPは下がり基調で直近は18.9%、対してSMは上がり基調で25.6%%である。つまり分母からしてJYPは3社の中で最も優秀である。

自己資本はというとSMが4356億3100万ウォン、YGが4321億500万ウォン、JYPが857億6000万ウォン。SMおよびYGと、JYPでは売上規模が1:3なのに対して自己資本は1:5くらいある。したがって、JYPの方が少ない資本で効率よく売上を上げ、かつ、先ほど見たように利益も叩きだしていると言える。

そんなわけで2017年度のROEを比較するとSM1.0%、YG4.1%、JYP18.9%と、JYPが圧倒的だ。ROEは8%を超えると株価上昇の目安と言われているが、SMもYGも軽く割っている――にもかかわらず、SMもYGも2017年に株価がいったん底を打ってそこから上昇基調にあったという意味では、株式市場からの評価は十分「過熱している」(YGに関しては「していた」)と言ってもいいかもしれない。

 

もっとも、筆者は韓国語が読めないため、韓国語で発表されている3社のIR、中でも2018年に発表されている四半期決算の情報を精査していない。四半期の開示情報では明らかに好決算なのだとしたら「過熱している」とは言えないかもしれない。