2019.03.18
# スポーツ # ビジネススキル

野村克也氏語る「ダ・ヴィンチもエジソンもすごい『メモ魔』だった」

メモは時代を超えた最強ツール
野村 克也 プロフィール

メモは「箇条書き」で書く

私のメモには、相手打者の長所や短所を克明に記していたが、ただダラダラと長所、短所をメモしても、それでは脳にインプットされにくいし、後で見た時にも要点がつかみづらい。

Photo by iStock

では覚えやすく、かつ見直した時にも瞬時に理解できるメモを書くにはどうしたらよいのだろうか。いいメモを書くコツは、要点をできる限り絞り込み、本当に言いたいこと、覚えておきたいことだけを記すことだ。そして、そのためにもっとも有効な書き方が「ポイントを絞り、内容を箇条書きにする」のである。

例えば、相手打者の攻略ポイントをメモするとしよう。思いつくままにメモした場合と箇条書きのどちらが見やすいか、ちょっと比べてみたい。

(1)思いつくままにメモした場合

山田太郎の攻略法
山田は真ん中高めからインコース高めにかけてのゾーンには滅法強く、このゾーンにストレートを投げるとホームランにされる可能性が高い。逆にアウトコースは苦手としており、とくにアウトローの落ちる系の変化球は有効。0ボール・2ストライク、あるいは1ボール・2ストライクなど、追い込まれた状況になると多少のボール球でも振ってくれるのでそういった場合はアウトローの変化球で勝負するのがよい。

(2)箇条書きにメモした場合

山田太郎の攻略法
(1) 追い込んだらアウトコース(とくに低め)で攻める
(2) 球種は落ちる系が有効
(3) 追い込まれると多少外れたボールでも振ってくれる
(4) 投げてはいけないゾーン→真ん中高めからややインコースより(滅法強い。とくにストレートは長打になる可能性高し)
 

いかがだろうか? どちらが見やすいか、理解しやすいかは、もはや私が言うまでもないだろう。

ここで紹介した攻略法は、みなさんにわかりやすいようにオーソドックスな内容としたが、実際には打者というものは投手のタイプ(右投げ・左投げ、速球派・軟投派、本格派・技巧派など)や置かれた状況(走者の有無、試合の序盤・終盤、優勢・劣勢など)によって傾向も大きく変わってくる。

それをただ単にその選手の「特徴」「傾向」として書き連ねているだけでは、そのメモは後に生かせる「データ」とはならない。

企業の社訓なども、次のように箇条書きにされたものが多い。

一、〇〇すべし
二、〇〇せよ

これも箇条書きは「見やすく、覚えやすい」という利点があるからだろう。メモに即して考えると「書きやすい」も加わる。

私自身はメールを使うことはあまりないのだが、たいして内容のないことでも頭にスッと入ってこないメールを書く人はけっこう多いと聞く。

会社などで「Aさんの書くメールはいつも読みやすいけど、Bさんのメールは頭に入ってこない」と思ったことはないだろうか。きっとAさんはポイントを絞ってメールを簡潔に書いているからわかりやすく、Bさんのメールはただダラダラと言いたいことを書き連ねているだけだからわかりにくくなってしまっているのだと思う。

自分にとっても、相手にとっても見やすく、理解しやすい「箇条書き」メモを、後の有効な「データ」とするためにも、ぜひ取り入れてみていただきたい。

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