死んだ独身男性のために女性を殺して捧げる…?中国に残るヤバい因習

女性遺体売買まで行わている
北村 豊 プロフィール

革命から70年近くたっても

上述したように、中国では1997年に『葬儀・埋葬管理条例』が公布され、埋葬は原則「火葬」とし、火葬施設が整わない地域のみ土葬を認めることとなった。

同条例は2012年11月に条文の一部を修正・廃止して、2013年1月1日から2012年修正版が施行されている。

土葬による耕地の浪費を防止しようと、全国各地の地方政府は土葬の撲滅と葬儀に関わる因習の除去をスローガンとして掲げ、火葬の推進を図っている。中国政府は、花葬、樹木葬、芝生葬、壁面墓地など占有する土地面積が少なく済む新たな埋葬方法も推奨しているが、主体は依然として火葬である。

 

中国政府“民政部”の統計によれば、2017年の火葬遺体は482万体で、全国平均の火葬率は48.9%であった。中国の火葬率は上述の『葬儀・埋葬管理条例』が公布された1997年には36%であったが、2005年に過去最高の53%まで達した後に急落して、現在に至るまで48%前後で推移している。

2014年に民政部は「全国平均の火葬率を2020年までに100%、あるいはその近くまで達成させる」という目標を提示したが、火葬率は2017年末時点でも依然として50%にも達しておらず、100%達成は夢のまた夢で、何時になったら実現できるのか分からないのが現実である。

火葬率の100%達成を阻んでいる理由の1つが上述した冥婚である。遺体が火葬されて遺灰になっていては、恐らく冥婚は成立せず、未婚のまま死亡した男性も女性もそれぞれ家族の墓に埋葬することは許されないことになる。

国営通信社「新華社」が2月27日付で発表した『いかに党の役割と指導を強化するか』と題する長文の論文は、マルクス主義は立党立国の根本指導思想であると言明した上で、「マルクス主義を信じず“鬼神(迷信)”を信じ、真理を信じず金銭を信じるのを断固防がねばならない」と述べている。

中華人民共和国は1949年10月1日の国家成立から69年を経過したが、いまだに迷信の除去に成功していないばかりか、中国共産党の党員の多くが風水や“算命(運勢占い)”といった迷信から脱却できていない。

中国の都市部ではアリペイ(Alipay)やウィチャットペイ(WeChatPay)などといった電子マネーによる決済や、無人コンビニ、レンタル自転車、相乗りタクシーの“滴滴出行”といったITを活用したサービスが想像以上の速さで市場を席捲しているが、都会を離れた農村部では依然として冥婚を含む伝統的な因習が残り、日進月歩の科学技術とは対照的な構図を描き出している。

35歳年下の妻が焼死したのは夫の朱連堂の放火によるものと断定されたことで、メディアはその目的が冥婚だったとその特異性を報じたが、冥婚は中国の一部地域で今なお普遍的に行われている因習であり、決して珍しいものではないのである。