投資の神様・バフェットはなぜ「株価の下落」を喜ぶのか

「みんなが売りたいときに買え」
大原 浩 プロフィール

すでに購入した株も下がった方が儲かる

バフェットは2013年の「投資家への手紙」で的確な事例を述べている。

ただし、ここで例にあげられているIBMへの投資そのものは失敗に終わっている。そしてGAFAの一角であるアップルへの投資もたぶん失敗に終わるであろうと筆者は危惧している。さらには、インテルへの投資も失敗しているし、バフェットのIT企業への投資は全滅といえる。

投資の神様がなぜIT企業への投資でうまくいかないのかは興味深いテーマだが、本記事の趣旨ではないので機会を改めたい。

 

下記に2013年の「バフェットからの手紙」の内容を一部引用する。

★株価は安い方が良い!

バークシャーの自社株買いの話をしたので、それに関連して、多くの投資家の株価変動についての誤った考えについてお話します。

バークシャーが自社株買いを行っている会社の株式を購入する際には、その結果として次の効果を期待します。 

(1) 今後長期にわたって(その会社の)収益が向上すること。
(2) 長期にわたって(その会社)の株価が低迷すること。

2番目のポイントがとても重要なのですが、その当然の結果として、バークシャーの保有株の(市場)評価(市場価格)が高いことは、バークシャーにとって大いにマイナスなのです。多くのコメンテーターは、バークシャーの保有株の評価(市場価格)が高いことを良いことのように騒ぎ立てますが、それはまったく誤った考え方です。

以下、IBMを例に挙げて株価が安いほうが望ましいことを理論的に説明しているのだが、長いので割愛して結論だけを述べる。

今後5年間の株価が<高株価>と<低株価>の2つのシナリオを比べた場合、低株価シナリオ(平均株価2万円)のケースの方が、高株価シナリオ(平均株価3万円)の場合よりも、バークシャーの持ち分に対する収益は100億円も多くなる。

さらに、低株価シナリオが実現した場合、バークシャーの持ち分の価値は高株価シナリオの場合よりも、たぶん1500億円も高くなる。

上記は、自社株買いを行う企業に限った話だが、自社の株式を購入するときに、株価が安い方が(長期的に)投資家が得をするのは考えたら当たり前のことである。