知らないと損をする? 医療費&定年後の健康保険を安く抑える方法

面倒くさがらない人が最後に笑う
井戸 美枝 プロフィール

退職後の健康保険はどれがおトクか

医療費と並んで心配になるのが、毎月支払う健康保険料です。

保険料は、収入や健康保険組合によってそれぞれ異なります。会社員であれば、勤め先の健康保険に加入しており、自分で選ぶことはありませんが、定年退職や独立などで会社を辞めるとき、どの健康保険に加入するかを自分で選ぶ必要があります。この選択で、長い定年後の生活で支払額が変わってくることがあるので要注意。

主な選択肢は3つです。

●定年退職後の健康保険の選択肢
1.退職前に加入していた会社の健康保険を任意継続
2.国民健康保険に加入
3.会社員の配偶者や子どもの健康保険に被扶養者として加入

任意継続は原則2年

「1.任意継続」は、退職前に加入していた健保組合や協会けんぽなどに、引き続き加入することです。原則、2年間加入することができ、退職前とほぼ変わらない保険給付を受けることができます(傷病手当金などは出ません)。

注意したいことは、保険料が2倍程度に上がること。退職前は会社と折半していましたが、任意継続では全額自己負担となるからですね。

ただし、保険料が高額になり過ぎないように、上限が定められています。2019年度の標準報酬月額は30万円です。協会けんぽ東京都保険料率は9.9%。30万円×9.9%で2万9700円が上限です。標準報酬月額41万円だった人だと約9400円高くなります。

国民健康保険料は地域ごとに大きく異なる

「2.国民健康保険」は、都道府県が運営している健康保険です。住んでいる地域によって保険料は大きく異なります。

たとえば、40歳の年収500万円の1人暮らしの人の場合。東京都新宿区の保険料は、41万6847円/年(3万4737円/月)。大阪府大阪市では、52万3286円/年(4万3607円/月)。福岡県福岡市は、49万8700円/年(4万1558円/月)と、地域ごとに異なります。

また、国民健康保険には、同じ業種や職業の人ごとに組織される「国民健康保険組合」があります。自営業者やフリーランスの人は、仕事の内容、住んでいる地域などの条件を満たせば、加入することができます。

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国民健康保険組合のメリットは、収入に関係なく保険料が一律であること。収入が高い人は、国民健康保険より保険料が安くなる可能性があります。

2019年現在、国民健康保険組合には、土木建築、食品販売、理容、税理士、薬剤師、医師、芸能……など、164種類の組合があります。退職後も仕事を続ける人は、該当する組合があるかチェックしておきましょう。

※参考:全国国民健康保険組合 一覧

扶養になると保険料不要!

「3.会社員の配偶者や子どもの被扶養者になる」は、文字通り、配偶者の健康保険の被扶養者として加入します。

 

60歳未満の人は年間収入が130万円未満、60歳以上の人はおおむね180万円未満で、被保険者と生計を一にしていれば(同居など)、被扶養者と認められます。認定されれば、保険料は発生しません。

退職時は「とりあえず任意継続」もアリ

もしも、退職前後に時間がとれず、どの健康保険に入れば良いかわからないときは、任意継続を選び、後日比較をするのも良いでしょう。というのも、任意継続は、退職後20日以内に手続きをしなくてはならず、1日でも遅れると加入できなくなります。手続きをしても、保険料の納付が遅れてしまうと強制的に脱退させられますので注意してください。

また、75歳になると「後期高齢者医療制度」へ移行します。後期高齢者医療制度の運営は、各都道府県に設置された後期高齢者医療広域連合が行っており、地域ごとに保険料は異なります。

●執筆協力:瀧 健(ファイナンシャルライター)