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「血液のがん」白血病について、あなたはどこまで知っていますか?

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2018年アジア大会で金メダル6個の日本競泳界初の快挙を成し遂げ、2020年東京オリンピックでの活躍が期待されている池江璃花子選手が2月12日、自らのTwitter上で「白血病」にかかったと告白したことが衝撃を呼んでいる。

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「白血病」は、映画やドラマなどで若くして亡くなる主人公がかかる病気として設定されることも多く、病名そのものは広く知れ渡っている。しかし、実は「白血病」という一言では表せないほど極めて複雑な病気で、ドラマの設定なども影響してか誤解も多い。

 

白血病とは何か?

白血病は一般的に「血液のがん」と言われる。

がんは、本来ヒトの体内で増殖が制御されているはずの細胞が、遺伝子変異などをきっかけに「がん細胞」となり、無制限に増殖し続ける状態を指す。通常のヒトの細胞は一定の期間を経て自動的に死滅し、新たに作られる同種の細胞と入れ替わるが、がん細胞は増殖し続け、正常な細胞をも侵食して人の命を奪ってしまう。

白血病は、細菌など体内に侵入してきた外敵と闘う白血球、酸素を運ぶ赤血球、出血を止める血小板などの、血液を構成する成分が形作られる過程でがん細胞が発生し、それが増殖し続ける病気だ。

白血球、赤血球、血小板は、ヒトの骨の中にある「骨髄(こつずい)」で、「造血幹細胞」という細胞が細胞分裂して成長し、作られる。

この成長過程にある未熟な細胞が増殖し続ける状態になってしまうのが「急性白血病」。成長したものの機能が不十分なままの白血球などの成分が増殖し続ける状態になってしまうのを「慢性白血病」という。

造血幹細胞には、赤血球と血小板、白血球の一種で殺菌作用を持つ顆粒球などを作る「骨髄系幹細胞」と、白血球の一種で免疫反応の際に重要なリンパ球を作る「リンパ系幹細胞」がある。

この「急性」と「慢性」、「骨髄系」と「リンパ系」の2×2の組み合わせで、白血病は「急性骨髄性白血病」「慢性骨髄性白血病」「急性リンパ性白血病」「慢性リンパ性白血病」の4種類に分類される。

これに加え、日本には風土病とでもいうべき特有の「成人T細胞白血病」がある。これは白血球の一種である「Tリンパ球」に特殊なウイルスが感染することでがん化し、無制限に増殖するものだ。世界的に見ても患者は日本の南九州・沖縄に集中し、それ以外では中央アフリカや中南米で患者がみられるという特殊な白血病だ。

日本での全白血病発生率を人口10万人あたりでみると男性が約8人、女性が約5人と男性にやや多い病気である。また、年齢にかかわらずまんべんなく発生し、小児から青年層(30歳代前半まで)の年代では最も発生頻度の高いがんである。

白血病の症状と治療

急性白血病の初期には、赤血球減少に伴う息切れや貧血、倦怠感、血小板減少による歯ぐきからの出血、鼻血、軽い打撲などで皮下内出血、白血球減少による細菌・ウイルス感染による発熱などの症状が出てくる。

急性白血病は治療をせずに放置すれば、数か月で死亡してしまうため、診断がつき次第、複数の抗がん剤の大量併用投与が行われる。また、最近ではこの抗がん剤大量併用投与に、がん細胞の増殖に関与する特定のタンパク質を攻撃する分子標的治療薬などをさらに併用する場合もある。

この治療で、骨髄の中のがん細胞が一気に殺傷され、正常な血液を作る機能が回復すると、治療は有効とみなされる。ただ、見かけ上、がん細胞がほぼ消失していても再発する可能性があるため、抗がん剤の種類や量を変更して、地固め療法と呼ばれる化学療法を繰り返してダメ押しする。

一方、慢性白血病の初期症状は、倦怠感、食欲不振、寝汗、体重減少のほか、がん化した細胞が脾臓や肝臓を侵食することで起こる腹痛など。しかし、進行が緩やかなため症状に気づかないか我慢し、健康診断の血液検査で発見される場合も少なくない。

慢性リンパ性白血病の治療は、抗がん剤と分子標的治療薬の併用あるいはそれぞれの単剤、慢性骨髄性白血病は、分子標的治療薬でがん細胞を大幅に減少させ進行を大幅に遅らせるのが一般的な治療だ。