# 米国株

アメリカに異変あり! ついに始まる「米国株ショック」に備えよ

巨象が薄氷を渡る矛盾だらけの米株高
大川 智宏 プロフィール

アメリカ住宅市場の「異変」

そして、これに加えて米国内の中古住宅市場も大きな障害として立ちはだかる。

〔photo〕iStock

住宅指標の中でも、特に中古住宅は新築と比較して市場規模が大きく、住宅市場の9割以上を占めると言われ、景気動向に対する消費者センチメントと金利(住宅ローン)変動への態度を包括的に見る指標として最も重要なものだ。

それが、昨年以来で悪化の一途を辿り、現在においても回復の兆しは一切見られないどころか、悪化の一途を辿っている(下記図)。

図表 中古住宅関連指標

拡大画像表示出所:Datastream

つまり、他国との間だけでなく、好調なはずの米国経済の内部においても、雇用と消費の間で矛盾をはらんで不和を生じさせた状態になっている。

この雇用と消費の両者の関係性について、「雇用が消費に波及していない」と捉えるならば、基本的に経済の好循環が否定され、現在の強い米国株の裏付けそのものが否定されることになるだろう。

消費のセンチメントは、昨年末の株安に伴う消費者心理の悪化や政府閉鎖などが複雑に絡み合うため、この因果関係は慎重に見極めなければならない。堅調に上昇を続ける米国株という巨象が、強い雇用という分厚い土台によって支えられているならば何の問題もない。

しかし、その土台が、利益成長予想の鈍化、そして他国の景気悪化と米国内の消費の低迷によって浸食され、気が付けば立っていたのは薄氷の上だった、などという事態にならないとも言い切れない。

 

調整相場入りを想定せよ

どちらにせよ、現在の米国株市場は週間のダウ平均株価で見ると9週連続の値上がりで、1995年5月以来の24年ぶりの連騰となる。

それを踏まえたうえで、足元でペースが鈍化してきたことを考えれば、米中貿易摩擦の解決によるポジティブ・インパクトはある程度織り込み済みであると見るべきだ。

そうなると、今後はこれらの矛盾を解消させようとする力学との綱引きになる。遅かれ早かれ、短期的な強い調整相場入りを想定しておくべきだろう。

参考までに、米国株市場との連動性が低い銘柄を抽出したものが次ページの図表である。