# 米国株

アメリカに異変あり! ついに始まる「米国株ショック」に備えよ

巨象が薄氷を渡る矛盾だらけの米株高
大川 智宏 プロフィール

業績と株価のおかしな関係

当然ながら、投資の観点では株価が業績を織り込むものであって、業績が株価にキャッチアップするものではない。

〔photo〕iStock

勘の良い方は気がつくと思うが、基本的には予想EPS成長の下落トレンド上で株価が循環しているように見える。

2018年上半期もEPSが切り下がる中でじわじわと株価は上昇したが、その結果として下半期にどうなったかは記憶に新しいところだ。そして、そのセオリーに従えば、今後株価がどうなるかは説明するまでもなさそうだ。

ちなみに、米国の利益成長率は日本、欧州、新興国と比較しても最も低い状態になっている(下記図)。株価のパフォーマンスは世界で最も高いにもかかわらず、だ。

図表:世界の各地域の12ヵ月先EPS成長率

拡大画像表示出所:Datastream

内需が急降下

② 米国の雇用vsその他すべての景気指標との矛盾

そして2点目は、米国の雇用とその他の国々との景気の温度差の話である。日々発表される各種統計を見るかぎり、今の世界景気は「米国の雇用のみ」に支えられているといっても過言ではない。

 

1月の新規雇用者数は30万人超えと事前予想を倍近く上回り、失業率も依然として歴史的な低水準のままだ。その反面、欧州域が景気後退局面の一歩手前にいることは周知のとおりだが、日本や中国も景気のモメンタムは芳しい状況ではない。

直近1週間程度だけを見ても、世界各地域の主要な統計に軟調な数字も目立っている(下記図)。

図表 直近1週間程度で軟調であった欧州、中国、日本の主要統計

拡大画像表示出所:智剣・Oskarグループ

この世界景気の不透明感の増大を助長しているのは、米中貿易摩擦と英国のEU離脱(ブレグジット)が2大要因だが、米国も米中貿易摩擦の当事者として、景気の腰折れリスクを他国同様に抱えているはずだ。

それを事前に見越したうえでFRBのハト派転換であったのだろうが、実は引き締め路線からの転換には、それ以外にも大きな理由がある。

小売りを中心とした内需が急減速を始めたのだ。特に足元の悪化のスピードは強烈である(下記図)。

図表 米国小売売上高(対前年比)

拡大画像表示出所:Datastream